2021 Fiscal Year Research-status Report
横揺れ減衰力推定法(池田の方法)の改良と横揺れの長期予測法の構築
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21K04502
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
片山 徹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20305650)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 横揺れ減衰力 / 不規則波中横揺れ / 短期予測 / 非正規確率密度関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,①池田の方法(ビルジキール成分)の改良,②横揺れの非線形性を考慮した横揺れ振幅角の短期予測法の確立を行う. 今年度は,①では先行して進めていた大型LNGおよびPCCの模型船を用いた横揺れ減衰力の特性の調査結果について,池田のオリジナルの推定法ならびに自由表面影響を除く半幅喫水比と重心高さの影響を考慮した最新の推定法とを比較することで自由表面影響を明らかにし,これを国際会議で発表した.また,船体中央部分の二次元断面についてCFDによる強制横揺れ時の流体力計算を実施し,横揺れ減衰力ビルジキール成分の自由表面影響について調査し,ビルジキールに流れ込む流速の自由表面影響を明らかにするとともに計算結果に基づいて定式化し,池田の方法を組み込むとともにその妥当性を確認した.この結果については,2022年度学会発表の予定である.また,この解析を通してビルジキールのついていない船体が作る横揺れ減衰力増加成分についても修正の必要があることがわかったので解析結果をまとめて国内の学会で発表した. ②については,先行して進めていた非線形横揺れ運動方程式を出発点とした非正規確率密度関数導出法を論文として発表した.一方,不規則横波中の横揺れ計測実験結果との比較において差があることについて,不規則波中の横揺れ波浪強制力計測実験を実施し解析を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「①池田の方法(ビルジキール成分)の改良」では,初年度および2年度に「1-1)自由表面影響の詳細の検討」「1-2)修正法の構築」を実施する計画であった.今年度1-1)を実施し,推定式の修正個所を特定するとともに,1-2において,複数ある修正個所のうち一つを定式化でき,順調に進んでいる. 「②横揺れの非線形性を考慮した横揺れ振幅角の短期予測法の確立」については,2年度および3年度の実施の予定であったが,先行して波浪強制力の計測実験を実施でき順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
「①池田の方法(ビルジキール成分)の改良」では,CFD結果に基づいて自由表面の船体表面圧力分布影響を検討し,その影響を定式化し池田の方法の改良法の完成を目指す. 「②横揺れの非線形性を考慮した横揺れ振幅角の短期予測法の確立」では,水槽試験結果の解析を進め「2-1)不規則波中波浪強制力の詳細」を検討し,横揺れのシミュレーションと実験結果を比較する.その結果に基づいて,必要に応じて非線形運動方程式を出発点として新たな非正規確率密度関数を導出する。また,「2-2)不規則波中横揺れの連成粘性影響の調査と一自由度運動方程式への考慮の方法」について,当初予定どおりに不規則波中の運動計測を行い,この影響の大小を確認する。左右揺れの影響がある場合,この影響を考慮した横揺れ減衰力を用いた横揺れのシミュレーションを行い,その効果を確かめる。効果がある場合は,この影響を考慮した横揺れ運動方程式を提案し,この方程式を出発点として新しい非正規確率密度関数を提案する。
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Research Products
(3 results)