2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Coordinate Control Scheme for an Automatic Inspection System with Different Types of Autonomous Marine Robots
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21K04503
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
平 雄一郎 崇城大学, 工学部, 教授 (20399645)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 海洋ロボット / 自律ロボット / 水中ロボット / 協調動作制御 / 自動点検システム / 数学モデル / ケーブル動特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、海中・海面ロボットから構成される船舶・海洋構造物の自動点検システムの実現に必要不可欠である海中・海面ロボットの協調動作制御法の開発を目指す。この協調動作コントローラを設計するためには、まずは制御対象の入力と出力の関係を記述する数学モデルを導出する必要がある。しかしこの制御対象の動特性には、1) 流体抗力・浮力・付加質量による慣性力などの流体力が作用すること、2) 互いにケーブルで結合されていることから、相互に運動が拘束されること、3) ケーブルが浮力・水流により弛張することから、ケーブルにも運動特性があること、4) 海中・海面ロボットにはそれぞれ水流・波浪が外乱として加わること、という特徴がある。 第一年度では、前述の特徴を踏まえ、ケーブル結合された海中・海面ロボットシステムに対する数学モデルを導出した。この数学モデルの主な特徴は、ケーブルの運動特性を、非駆動関節で結合された剛体リンクシステムとして表現することである。なお厳密には、ケーブルは柔軟物体と同様な運動特性を有する。しかしこの場合には、制御対象の数学モデルが非常に複雑になることから、リアルタイム実装が困難であるコントローラが設計される可能性が高い。その一方で、提案モデルのケーブル部分には、モデル化誤差(すなわち、剛体リンクシステムと柔軟物体の間の運動特性の差異)が発生するが、その誤差の大きさはコントローラにより補償できる程度であることが予想される。なお、この提案モデルに関して得られた成果の一部を国際会議において報告した。 さらに、第二年度以降における海中・海面ロボットの協調動作制御法の開発に向け、まずは外乱を考慮した海中ロボット単体の動作制御系の構築にも取り組んでいる。そして、その得られた成果の一部が学術雑誌に採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一年度における本研究課題の主目標は、ケーブル結合された海中・海面ロボットシステムに対する数学モデルを導出することであり、これを達成できた。なお、その成果の一部を国際会議において報告した。また、海中・海面ロボットの協調動作制御法の開発に向け、外乱を考慮した単体の海中ロボットに対する動作制御法の開発にも取り組んでいる。さらに第二年度に向けて、第一年度に導出した数学モデルをもとに、ケーブル結合された海中・海面ロボットシステムに対する協調動作コントローラの設計に取り掛かるとともに、制御シミュレーションシステム構築の準備を行った。以上の進捗状況から、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
第二年度においては、第一年度に導出した数学モデルをもとに、ケーブル結合された海中・海面ロボットシステムに対する協調動作コントローラを設計するとともに、その制御性能を理論解析する。そして、その制御シミュレーションシステムを構築し、シミュレーション解析により、理論解析では解析困難な制御性能を詳細に調査する。なお、この理論解析・シミュレーション解析において、所期の制御性能が得られない可能性がある。その場合には、1) より厳密な数学モデルを再導出すること、2) 海中・海面ロボットに作用するケーブル張力を推定する外乱オブザーバをコントローラに付加することなどの対応策を考えている。このような事態も想定し、まずは早期に、第一年度に導出した数学モデルをもとに構築した協調動作制御系の理論解析・シミュレーション解析を進捗させる。またこれと並行し、第三年度における実験解析の準備として、実験システムの構築にも着手する。
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Causes of Carryover |
当該年度では、当初の計画通り、数学計算ソフトおよびシミュレーション解析ソフトを購入した。ただしシミュレーション解析ソフトにおいては、幾つものオプション機能を選定することが可能であり、それに伴って価格が変化する。オプション機能の一部に関しては、研究効率の向上が期待できるものの、プログラミング機能を用いて対応可能であり、それらの機能を削除して購入した。その理由としては、次年度における実験システムの構築において、海面ロボットに搭載するセンサ(張力センサ・位置センサ)の追加を検討しており、その購入費用に充当するためである。次年度には、翌年度分として請求した助成金と合わせ、実験システムの構築に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)