2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K04510
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Research Institution | Japan Coast Guard Academy (Center for Research in International Marine Policy) |
Principal Investigator |
松浦 義則 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), 国際海洋政策研究センター, 教授 (80285436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 仁昭 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), 国際海洋政策研究センター, 教授 (00352047)
磯崎 裕臣 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), 国際海洋政策研究センター, 准教授 (10581225)
佐藤 寧洋 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 准教授 (80571554)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | RFID / 海上衝突回避システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,RFIDを利用した海上衝突回避システムの実現を目指すための知識と技術の習得にある.海上においてRFIDタグから発せられる電波の伝搬特性を明らかにできれば,受信電力強度に応じてタグまでの距離を推定できる.そのため,予めRFIDタグをブイや漁具等の海上浮遊物や船舶等へ取り付けておくことで,その近接状況を受信電力強度により把握できると考えられる.海上特有の気象の変化や波,うねり,船舶の動揺等によって受信電力が不規則に変動することが考えられるが,機械学習やディープラーニングを適用して不規則変動の影響を低減し,精度を向上させる.本研究の最終目標は,研究タイトルが示すように,海上での電波の伝搬特性を詳細に調査することをベースに,RFIDを利用した衝突回避システムを海上に構築することである. 今年度は江田島,倉橋島,蒲刈および熊野の電子基準点を利用して,本館屋上に設置したRTK-GNSSの基準局の位置補正を実施し,電波の伝搬特性を測定するための距離測定精度を概ね10㎝にすることができた.また,本研究のために準備したRFIDタグの電波射出間隔が大きく正確な電波伝搬特性の取得が困難な事象が判明したので,マイコンを利用して理想的な電波射出が可能な仮想のRFIDタグとその受信機を作成し,信号強度RSSIの取得と特性解析を実施した.アラームを携帯端末に表示するアプリケーションの開発は大阪電気通信大学で行い,仮想RFIDタグから射出される電波の受信状況を受信機から携帯端末に伝送する仕様の検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究のために準備したRFIDタグの電波射出間隔が大きく正確な電波伝搬特性の取得が困難な事象が判明したので,その代替の装置としてマイコンを利用して理想的な電波射出が可能な仮想のRFIDタグを設計し,設計通りの電波の射出と受信が可能となることを検証することに時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に設置したGPS基地局を利用したより精度の高い距離測定法を用いて,海上において,2022年度に作成したマイコンを利用した仮想的なRFID が発する電波の伝搬特性を測定する.その後は申請書における研究計画に従って研究を遂行し,前年度に実施する予定であった操船者などに対して警報を発出する具体的な方法について検討する.仮想RFID が発する電波を検出し,携帯端末機器にその検出結果を表示するアプリケーションの作成を進める.
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Causes of Carryover |
RFIDタグを利用して船艇を利用した受信電力の測定を実施する予定であったが,RFIDタグの代わりにマイコンを利用した仮想RFIDタグとその受信装置を作成することに時間を要し,船艇用の固定治具を作成できなかったこと,及び予定していた研究調査をオンラインに切り替えたためであり,繰り越した予算については船艇での測定実験のための費用に繰り越すことになった.
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