2021 Fiscal Year Research-status Report
A study of optimum route search system for the Arctic sea routes
Project/Area Number |
21K04513
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
山口 一 国立極地研究所, 国際北極環境研究センター, 特任教授 (20166622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢吹 裕伯 国立極地研究所, 国際北極環境研究センター, 特任准教授 (00392936)
照井 健志 国立極地研究所, 国際北極環境研究センター, 研究員 (70640762)
杉村 剛 国立極地研究所, 国際北極環境研究センター, 特任研究員 (80455493)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 北極海航路 / 最適航路探索 / AISデータ / 北極海 |
Outline of Annual Research Achievements |
船舶航行データ解析:2018年から2020年にかけての船舶自動識別装置(AIS)の千を超える船舶航行データを、ロシア北極海航路管理局(NSR)発表の実績データや公表されている船舶データなどと照らし合わし、船舶やIce Classの特定と、船速アルゴリズム改良に使用可能なデータの抽出を実施し、北極海航路航行実績データベースを作成を開始した。 船速推定アルゴリズムの高度化:カナダの航行規則で用いられているIce Numeralを基に、船舶のIce Classと氷況の両方を含んだパラメータとしてIce Indexを導入した経験式にて船速推定した。一方、個々の船舶の燃料消費量まで推定できる様に、氷中抵抗理論式に基づく船速アルゴリズムも作成した。これらのアルゴリズムを上記データベースなどと照らし合わせて、船速アルゴリズムの高度化に着手した。 探索アルゴリズムの高度化:航路探索アルゴリズムとして、それまでのA*アルゴリズムをθ*アルゴリズムに置き換えた。これにより、探索された航路の不自然なkinkが解消され、解の格子依存性が改善された。また、θ*アルゴリズムの採用により、探索結果が、航行距離、航行時間、燃料消費量すべてにおいてA*アルゴリズムより2-8%改善され、より真の最適航路に近い結果が得られる様になった。計算時間が当初10倍以上増加してしまったが、コードの改良により数倍まで改善され、実用性も高まった。 アプリケーション開発:新しい探索手法を用いたwebアプリケーションの開発に着手し、動作を確認した。実際のweb実装に向けて、良好な見通しが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は3年計画の初年度であったが、順調な滑り出しであったといえる。当初計画していた課題に着手し、スムーズに次年度への継続ができる状態になっている。また、船舶航行データについては、国土交通省の研究所の研究者に適宜アドバイスをもらっており、産業界に受け入れられる最適航路探索の手法について、科学的に取り組む体制もできた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に着手した課題を進めていけば、順調に当初目的通りの成果が得られるものと考える。
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Research Products
(3 results)