2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K04526
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高野 祐一 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40602959)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 数理最適化 / 正準相関分析 / ポートフォリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、正準相関分析のスパース推定問題に対する解法の研究と、ポートフォリオの分布的ロバスト最適化問題に対する解法の研究を実施した。 正準相関分析とは、複数のデータセット(変数集合)に含まれる共通の情報を抽出するための手法である。線形回帰分析や主成分分析を一般化した手法となっており、遺伝子データの解析などで利用されている。分析結果の解釈性を向上させるために、なるべく少ない変数で精度の高い分析モデルを構築するスパース推定が有効である。本研究では、正準相関分析のスパース推定問題に対する厳密解法(分枝限定法)を設計し、実データを用いた数値実験によって提案手法の有効性を検証した。実験結果から、提案手法は既存のスパース推定法と比較して、より予測性能の高い分析モデルを構築できることを示した。 ポートフォリオ最適化問題とは、収益性とリスクを考慮して複数の銘柄に対する最適なポートフォリオ(投資比率)を決定する問題である。監視労力や取引費用の観点からは少数の銘柄でポートフォリオを構成することが望ましく、また収益の確率分布推定の不確実性に対処するために分布的ロバスト最適化が有効である。しかし、銘柄数制約を課した(積率に基づく)分布的ロバスト最適化問題は、求解が困難な最適化問題(混合整数半正定値最適化問題)となってしまう。本研究では、この問題に対して高速な厳密解法(切除平面法)を設計し、実データを用いた数値実験によって提案手法の有効性を検証した。実験結果から、提案手法は既存の厳密解法と比較して高速であること、また銘柄数制約と分布的ロバスト最適化を組み合わせることで高い運用成績を達成できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正準相関分析とポートフォリオ最適化問題のスパース推定問題に対して、高性能の厳密解法を開発することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、最良スパース推定の厳密解法の対象を各種の統計分析(生存時間分析など)や機械学習(サポートベクトルマシンなど)の手法に拡張していくことを計画している。
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Causes of Carryover |
社会情勢に鑑み予定していた出張が取りやめとなったため、次年度の出張旅費として使用を計画している。
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Research Products
(5 results)