2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K04532
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
梶原 康博 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (70224409)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 一次元レーダ / 人物検知 / 防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
年度計画に従い建物内の人物検知方法の開発に注力した。測定環境として、住宅建材として広く使用されている構造用合板(厚さ12mm)の前方に24GHz一次元レーダを置いた。一次元レーダによる反射波を信号処理することにより、レーダから構造用合板背面の人物までの距離を測定できる方法を開発した。複数人が構造用合板の背面で移動する実験を行い、提案方法によりリアルタイムに被験者の位置を検知できることが確認された。この研究成果を経営工学国際会議(ICIM)2021において公表した。さらに、レーダ矢上面から見た人物の方向を検知することを目的として、複数の送受信アンテナを有するアレイ方式レーダによる人物検知技術開発への取り組みを行った。現状では、アレイ方式レーダによる測定精度は、方向については測定誤差が±25度以上ある。そのため、次年度の課題として方向測定精度を改善する必要があることが確認された。また、電波の壁透過性能に関して、現状ではブロック塀背面の人物を検知することが困難である。そのため、送信波の周波数を900MHz程度まで下げて人物検知ができるように人物検知方法を改善する必要があることが確認された。900MHzの電波の使用に関しては、電波法による制約があるため、次年度は、電波暗室にて壁背面人物の検知実験を行うことを計画している。次年度に向けて電波暗室に関しては、申請者所属機関が保有する電波暗室を使用できることを確認するとともに、電波送受信のための信号発生器、オシロスコープ、アンテナ等の機材の準備を整えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一次元レーダにより壁背面の複数の人物の位置を検知できる方法を年度当初予定通りに開発できた。また、アレイ方式レーダにより、屋内人物の位置および方角の測定に関してもソフトウエアの試作はできたが、方角測定精度は実用化には十分とは言えないことが確認された。さらに、コンクリート壁が想定される場合に対応できるように、現状よりも低い周波数の送信波により人物検知を行えるようにレーダ装置を改良することの必要性が確認された。低い周波数での人物検知に関しては、申請者機関が所有する電波暗室で実験を行うことの目途が得られた。さらに、次年度に電波暗室において電波の送受信を行うために必要となる機材の準備の終えている。以上のことから、申請書に記されている初年度の目標に到達できたこと、および次年度以降の課題および実験環境を確保できる確証が得られたことから、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
アレイ方式レーダによる方角測定精度を向上する課題に関しては、アレイアンテナの枚数を増やすことにより改善できると考えている。そのため、次年度以降にアレイアンテナを増やす改善を行うことを計画している。また、コンクリート壁が想定される場合に対応できるように、現状よりも低い周波数の送信波により人物検知を行えるように人物検知方法を改良することを計画している。後者の計画に関しては、技術基準適合審査証明を受けていない周波数の電波を使用する予定であることから、実験室外部に電波が漏れないように、申請者所属機関が所有する電波暗室にて実験を行うことの目途を得ており、計画通りに実験を行えると考えている。
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