2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K04532
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
梶原 康博 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (70224409)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レーダ / 人物検知 / 防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)周波数連続変調(FMCW)レーダにより壁背面人物を検知する方法を2022年度に開発し、無人搬送車に実装した。開発した方法では、送信波と物体からの反射波を短時間フーリエ変換することにより周波数差を求める。得られた周波数差からレーダから物体までの距離および信号強度を求める。人は呼吸、歩行などによりレーダからの距離が変化し、壁等の物体は距離が一定となる。この関係を基に信号強度が時間経過に伴い変化する区間を求めることで人がいることを検知する。開発した方法を無人搬送車に実装することにより、無人搬送車が部屋から出る前に壁を透視して通路上の人の有無を検知できることを確認した。この研究成果を、2023年7月に開催されたセンシング技術に関する国際会議において公表した。 (2)FMCWレーダでは、ドアノブ、床など人以外からの反射波であるクラッタ(不要波)が多く検知されるため、人を高精度に検知することが難しいという課題がある。パルスレーダはクラッタを抑制できることが知られている。そこで、パルスレーダにより壁背面の人物を検知する方法を開発した。パルス波の往復時間から物体までの距離を測定する。また、家具等の静止物体は反射波信号強度は強いが位置が不変であることから受信波の位相変動は小さい。人からの反射波は、信号強度は小さいが、呼吸や重心動揺などにより位相変動が大きい。そこで、信号強度および位相変動を特徴量とし、壁背面の物体が人であるか物であるかを推定するための推定モデルを交差検証法により求める。以上の方法を実装し、電波暗室にて壁背面の人物を検知する実験を行い、計画通りに壁背面の人物を検知できることが確認された。以上の研究成果を2023年11月に開催された電磁波分野の研究会において公表するとともに、学術誌にて公表するために論文投稿を行った。
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