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2021 Fiscal Year Research-status Report

Developing simulation technology with learning and its application to finance

Research Project

Project/Area Number 21K04534
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

今井 潤一  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (10293078)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords準モンテカルロ法 / 金融工学 / 学習
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,投資戦略の構築やリスク管理に活用できる効率的な数値計算手法を開発することである.その特長は,シミュレーション技術の精度向上のために,学習を取り入れるところにある.統計的あるいは機械学習的なアプローチを課題の分析に採用することで,解析的に困難な非線形性の取扱が容易になり,新たな効率的手法をを提供できる可能性が広がる.
本年度は,第1に,モデル不確実性(model uncertainty),あるいはモデルの曖昧性(ambiguity)と呼ばれる状況下において,金融オプションの最適なヘッジ戦略がどのような影響を受けるのかの分析を行い,それをまとめた論文を出版した.モデル不確実性とは,金融資産の将来の価格の変動が,多くの金融工学のモデルで想定されているような,パラメータを固定したリスクと呼ばれる確率過程で表現できない状況を考えているモデルである.そのモデルの複雑性故に,金融デリバティブをヘッジする最適な戦略の解析的な分析が困難な部分があるため,本研究ではモンテカルロ法を用いた数値計算手法を開発し,動的ヘッジ戦略についての分析を行った.その結果,モデル不確実性がある場合には,多くの状況でより保守的なヘッジ戦略が選択されるものの,リスクの状況下とほとんど変わらないケースも存在しうることとその原因も明らかとなった.ここで開発したモデルのフレームワークと結果の文政から得られた知見は,本研究の今後の研究にも応用されていくことが期待される.
第2に,本研究では,本研究の主テーマである学習を取り入れた準モンテカルロ法について本格的に研究を開始した.最初に2次関数に着目し,複雑な非線形関数を回帰を用いて2次関数近似を行い,その情報を生かしてより効果的な準モンテカルロ法を実装する新しい変換方式を提案した.学会報告で得られたフィードバックをもとに,現在最終版を執筆中である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究の概要で述べた,複雑な非線形関数を2次関数近似し,その情報を生かしてより効果的な準モンテカルロ法を実装する方法については,当初の予定では本年3月末までには投稿を完了する予定であった.ところが,本年2月に行った研究発表において,非常に有用なアドバイスを得たことを最終成果物の発表前に加えるかどうかについて議論を行うことになり,さらにディスカッションの真っ最中に本研究の海外共同研究者がコロナ感染のトラブルに巻き込まれるなどして,執筆作業が現在滞っているのが遅れと認識している原因である.それ以外の研究は,次に述べるように順調に進んでいると認識している.

Strategy for Future Research Activity

まず,現在滞っている執筆作業については,共同研究者とのディスカッションが開始できしだい速やかに完成する予定である.
次に,今年度本格的に第3の研究を開始する.それは,より複雑な金融オプションやリアルオプションに対応するために,あるいは金融リスク尺度の計算に利用するために,代表的な機械学習の一つであるニューラルネットワークを用いた回帰による学習を準モンテカルロ法の効率化に用いることである.最初の試験的な実験により,この提案方法は従来の線形近似を基本とする分散減少法では得られない新しい結果を得られる可能性があることが明らかになった.まずは,本年6月に国際学会での報告を予定しており,そこで研究を推進するディスカッションができることを期待している.
本研究で提案している学習による数値計算手法の開発の考え方は,広い分野の活用が期待される.さまざまな金融モデルのもとでの研究に加え,リスク・モデリングが必要なその他の広い分野への応用が期待できることから,今年度は金融に限らず,広く経済,経営,自然科学,そして医療分野への活用可能性を検討する.

Causes of Carryover

第1にコロナの影響により,当初予定していたオン・キャンパスでの学会が全く行われなかったため旅費が発生しなかったことがあげられる.第2に半導体不足の影響で,当初購入を予定していたPCの発売が中止になり,さらには後続機の納入のめどが全く立たない状況になったため,次年度へ延期を行う判断を行った.
次年度には,海外でオンキャンパスでの学会報告を予定しているが,こちらもコロナによる国際的な航空チケットの高騰が起こっているため,次年度の旅費が本研究の申請時と比べると上昇している.したがって,次年度の旅費を確保するために本年度繰り越した予算を利用することを計画している.

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] A Numerical Method for Hedging Bermudan Options under Model Uncertainty2021

    • Author(s)
      Imai Junichi
    • Journal Title

      Methodology and Computing in Applied Probability

      Volume: 22 Pages: -

    • DOI

      10.1007/s11009-021-09901-6

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Dimension Reduction for a Quasi-Monte Carlo Method via Quadratic Regression2022

    • Author(s)
      Junichi Imai
    • Organizer
      日本金融・証券計量・工学学会
  • [Presentation] Dimension reduction via neural network for enhancing quasi-Monte Carlo Method2022

    • Author(s)
      Junichi Imai
    • Organizer
      日本オペレーションズリサーチ学会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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