2021 Fiscal Year Research-status Report
個人差に配慮したコロナ後の「新しい生活様式」支援の感染症制御ガイドの開発と評価
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21K04541
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
重松 美加 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 主任研究官 (20299598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 肇子 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (70214830)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 行動変容 / 感染症 / コミュニケーション / 健康危機対応 / COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、一般市民は、明確な判断基準が提供されないまま、感染リスクを回避し、継続可能な適正レベルの生活様式の転換へ協力することを求められ続けている。 本研究では、次の3つの課題の達成を目指している:(1)人々が実際に行っている感染防止のための行動の実態調査を行って、具体的にどのような行動がリスク回避行動と認識されているのか、および、その実行率を調査する。(2)この 調査に基づき、感染防止行動を感染症の専門的視点から分類し、それぞれの有効性と長期に実行可能かどうかの視点から分類してリスク評価する。(3)リスク評価に基づき、日常生活でも実行可能な市民のための行動ガイドを作成するとともに、簡易に記録できるようにアプリとして 提供した上で、その効果を評価する。 専門知識を持たなくとも、一般市民がリスク回避行動の選択を自立的に行う意思決定支援のツールとしての利用を可能とする。 2021年度は、行動の実態調査の設計に必要な情報収集と調査の設計及び実施を行う予定であったが、COVID-19の感染拡大による緊急事態宣言が繰り返されたことから、一部の海外事例収集に遅れが出たほか、リスク回避行動に関する調査の設計打ち合わせの機会が不足し、調査を実施するに至らなかった。初年度成果としては、2021年末までの市民の感染対策行動の動指針の存在や研究についての情報収集と、感染対策行動の具体例についてのマス・メディアやインターネット上の 情報の精査と収集が完了し、実際の市民の行動調査の設計に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初研究計画において2021 年度の研究課題とした2 項目のうち、(1)資料調査や調査によって、ガイドラインの指針となる市民の感染対策行動の収集については、おおむね予定通り実施することができた。しかしながら、COVID-19の世界的な拡大のために自宅隔離や感染者が関係機関に発生し海外事例の開示が遅れたほか、ネットを介しての国外の事例調査の試みにおいては、時間的調整が難しい状況にある。COVID-19 の流行株の変化による各国の対策が変わったことから、2022年度秋には収集の完了を予定している。一方、(2)実際にどのような行動を市民が行っているのかについてのインターネッ ト調査については、COVID-19の感染拡大による緊急事態宣言が繰り返されたために、調査会社との打ち合わせを行ったものの、調査票の作成、推敲及び実施に際しての詳細な対面での打ち合わせが実施できず、遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022 年度に予定している2つの課題、(1)2021 年度の検討結果に基づき、個人が実行している感染対策行動のリスク評価の実施、(2)感染リスクにつながる行動を記録するアプリの開発着手のうち、前者は2020年度実施予定であった調査活動と並行して進め、その成果を受けて、後者は年度後半に着手しモックアプリを作成予定である。 最終年度に予定している以下の2課題については、変更無く実施する。(1)2023 年度に試験的に作成したアプリの本格的な効果の検討、(2)研究成果の他の感染症領域への展開の可能性についての検討。
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Causes of Carryover |
参加予定の学会が中止あるいはオンラインになったため、旅費支出ができなかった。 また、行動変容に関する調査を設計するに当たり、対面での打ち合わせができなかったことにより、調査の実施そのものが遅れたため、予定していたその他及び人件費などの項目が使用できなかった。 本年度は行動変容に関する調査の実施と評価を経て、モックアプリ作成の着手により、その他の項目にある調査に費用及び物品費の使用を進めると共に、成果のまとめを開始してゆく予定である。
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Research Products
(5 results)