2021 Fiscal Year Research-status Report
多様な施設利用行動を考慮した都市施設の最適な階層構造
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21K04546
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
宮川 雅至 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50400627)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 都市工学 / 施設配置 / 階層構造 / 最適化 / 施設数 / 施設利用行動 / 施設閉鎖 / アクセシビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
階層構造を持つ施設の最適な階層構造を求めるためのモデルを構築した.具体的な研究成果は以下の通りである. 1.病院と診療所,市役所の本庁舎と出張所のように上位施設と下位施設の2階層からなる施設に対して,各階層の最適な施設数を求めた.まず,下位施設が一定の確率で閉鎖される場合に,住民からサービスを受ける施設までの平均距離を求めた.その際,住民の施設利用行動として,最も近い下位施設で対応できないときに上位施設を利用する場合,および最も近い下位施設と2番目に近い下位施設のいずれも対応できないときに上位施設を利用する場合を考えた.そして,施設の総整備費用が一定であるという条件の下で,利用可能な施設までの平均距離を最小にする施設数を求めた. 2.下位施設の閉鎖率,施設の配置パターン,施設の利用行動が最適な施設数と最適解の下での平均距離に及ぼす影響を分析した.施設の配置パターンとしては,下位施設と上位施設のいずれも三角格子状配置の場合,いずれもランダム配置の場合,および下位施設がランダム配置で上位施設が三角格子状配置の場合を考えた.また,すべての施設が下位施設である場合,すべての施設が上位施設である場合と平均距離を比較することで,階層構造を導入することが有効な条件を明らかにした. 以上の研究成果は,施設数に関する意思決定に役立つだけでなく,今後の施設配置モデルの発展につながるなど,階層構造を持つ施設の効率的な整備に資するものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果をまとめた論文が査読付き学術誌に掲載されるなど,研究は計画通り進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
構築したモデルの記述力を高めるための高度化を行う.具体的には,道路のように施設が直線で表される線的施設や公園のように施設が面的な広がりを持つ領域で表される面的施設に対しても最適な階層構造を探究する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で出張を取りやめたためであり,次年度の資料収集・成果発表の旅費として使用する.
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