2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on practical urban and transport policies designed to improve the health of elderly citizens
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21K04548
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松中 亮治 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70303849)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 健康増進 / 都市・交通政策 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績の概要は以下の通りである. ・ 健康増進に資する各種都市・交通施策調査:パリで公表された市民が自動車を使わずに徒歩や自転車で15分以内に職場や学校,商業施設,公園といったあらゆる都市機能にアクセスできる都市を目指す"ville du quart d’heure(15分都市)"構想やアメリカで着目されている人々が徒歩10分以内で質の高い公園や緑地にアクセスできるようにする”10 Minute Walk“計画,オクラホマシティにおける” Metropolitan Area Projects 3”の取り組みやニューヨークのハドソンヤード再開発など世界各国で進められているスマートシティの取り組みなどについても調査し,事例を収集した. ・ 2022年度調査に向けた準備: 本研究では,2022年度に富山市が開発したスマートフォンアプリ「とほ活」を用いて高齢者の日常における詳細な外出ならびに歩行データを二週間収集する計画である.本年度は,2016,2018年に同一の被験者に対して同様の方法で実施した調査における有効サンプルを確認し,2022年度調査の調査対象者を選定するとともに,調査のフレームワークについて検討した. ・ 既存調査データに関する基礎分析:2016,2018年に実施した歩行ならびに外出行動に関する既存調査のデータを用いて,外出交通手段,歩数,医療費について,それらの関連性に関する基礎分析を実施した.さらに,同時に収集した交通系ICカードデータについても分析し,富山市が実施している高齢者向け公共交通運賃割引施策である「おでかけ定期券」所有者の居住地や利用回数について基礎的な分析を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,高齢者の歩行並びに外出行動に関する既存調査結果を用いた基礎分析を実施するとともに,次年度における調査実施に向けた準備を実施し,これらについては順調に進めることができた.一方で,健康増進に資する各種都市・交通施策に関する調査については,新型コロナウィルスの感染が終息しなかったため,特に海外の都市において,現地における資料収集を実施できず,文献等による資料収集に留まっており,当初計画を十分達成することができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は新型コロナウィルスの感染状況等に注視しつつ高齢者を対象とした歩行ならびに外出行動に関するパネル調査を実施することを最優先に取り組む予定である. 並行して,健康増進に資する各種都市・交通施策に関する事例を収集し整理する.特に,海外の都市については,新型コロナウィルス感染状況が改善した場合,現地での資料収集を実施する予定である. そして,最終年度である2023年度においては,健康増進に効果的な歩行活動の継続的確保に必要な都市・交通施策を検討し,高齢者の健康増進に資する都市社会システム創出のための具体的かつ実践的な施策について,その健康増進効果を定量的に評価する予定である.その際,2022年度調査時における新型コロナウィルス感染状況が高齢者の行動に及ぼす影響を考慮した評価について検討する予定である.
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