2022 Fiscal Year Research-status Report
A study on practical urban and transport policies designed to improve the health of elderly citizens
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21K04548
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松中 亮治 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70303849)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 健康増進 / 都市・交通政策 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は以下の通りである. ・高齢者を対象とした外出行動調査:高齢者の日常における外出行動特性ならびに歩行状況を詳細に把握するため,スマートフォンアプリを用いて,高齢者の日常における詳細な外出ならびに歩行データを二週間収集するとともに,富山市で導入されている交通系ICカードデータについても併せて収集した. ・外出・歩行状況と医療費との関連性分析:収集した高齢者の外出行動データならびに交通系ICカードデータを用いて基礎的な分析を行った結果,富山市で実施されている高齢者を対象とした公共交通運賃割引制度の利用の有無により,外出時の歩行量に統計的に有意な差があること,歩行量の多寡により,その後の医療費に統計的に有意な差があること,公共交通運賃割引制度に継続して登録していない高齢者は,継続して登録している高齢者と比較して,数年後の医療費が統計的に有意に高くなることをなどを明らかにした. ・高齢者の健康増進に資する都市社会システム創出のための都市・交通施策の検討:高齢者の外出行動調査の分析から,公共交通運賃割引制度の登録の有無により,中心市街地における活動場所の分布が大きく異なること,また,交通系ICカードデータの分析から,特に後期高齢者について,コロナ禍によって落ち込んだ公共利用の回復が鈍いことがなどを明らかにした.こうした分析結果を踏まえた上で,次年度は,都市社会システム創出のための都市・交通施策の検討を進めて行く予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,高齢者を対象とした外出行動調査を実施し,当初計画していたデータを収集することができた.一方で,健康増進に資する各種都市・交通施策に関する調査については,昨年度に引き続き,新型コロナウィルスの影響で,特に海外の都市において,現地における資料収集を実施できず,文献等による資料収集に留まっており,当初計画を十分達成することができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年度の調査で収集した高齢者の外出行動データならびに交通系ICカードデータを用いて,日常生活における歩行量や外出先や利用交通手段などの外出行動特性を詳細に把握するとともに,医療費と日常生活における歩行量との関連性を定量的に分析し,医療費に影響を及ぼす要因を明らかにする.そして,これらの分析結果を踏まえた上で,都市社会システム創出のための都市・交通施策の検討を進める予定である.
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Causes of Carryover |
健康増進に資する各種都市・交通施策に関する調査について,新型コロナウィルスの影響で,特に海外の都市において,現地における資料収集を実施できなかったことなどにより差額が生じた.次年度は,新型コロナウィルスの感染状況を勘案しつつ,現地における資料収集の代替として,文献等による資料収集により重点的に取り組む予定である.
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