製造システムにおける衝突確率と最適化問題に対する効率的な解決法の提案

2023 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K04555
• Research Institution: Hosei University
• Principal Investigator: 千葉 英史 法政大学, 理工学部, 准教授 (70434892)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 大塚 帯紀 サイバー大学, IT総合学部, 助教 (00897449)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2025-03-31
• Keywords: 確率モデル / アルゴリズム / 製造モデル / バッファ

Outline of Annual Research Achievements

本研究では，より効率的な製造システムの実現を目指し，その製造モデル上での衝突確率に関する研究に取り組む．特に衝突確率に焦点を当てることが本研究の特徴である．衝突確率は，待ち行列理論やスケジューリング分野の製造モデルで扱われる評価基準とは異なる．衝突確率に関する理論的な解析はほとんど知られていない．しかし，シミュレーションを用いて，近似的に衝突確率を計算する手法に関する研究は，比較的多くの研究成果が得られている．私たちは，アルゴリズムの視点からの考察により，シミュレーションの効率化に興味がある．
本年度は，バッファを考慮した直並列機械モデルを取り上げ，このモデルにはいくつかの変種が考えられることを確認した．特に，機械間の接続関係とバッファの配置場所によってモデルが決定される．そして，いくつかの変種において，衝突が生じるかどうかを判定するアルゴリズムを検討した．キーアイデアは，バッファで待機中のジョブの管理をデータ構造キューで行い，稼働中の機械の管理をデータ構造二分ヒープで行うことである．このようなアイデアは，過去に扱われたモデルにおいて効果的であったが，今回のモデルにおいても適用可能である見通しがたった．そのため，衝突を判定するアルゴリズムの詳細な設計と実装を行った．さらに，計算実験を実施し，さまざまなパラメータによる計算結果から対象とするモデルの性質を考察した．また，得られた結果を学術論文として投稿するための執筆も行った．

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

当初の計画では，バッファを考慮した直並列機械モデル上での衝突判定アルゴリズムに関する研究成果を整理し，学術論文誌に投稿する予定だったが，まだ完成していない．衝突判定アルゴリズムの詳細な設計は進んでおり，計算実験も行える状況にあるが，論文執筆に十分な時間を確保できていない．

Strategy for Future Research Activity

アルゴリズムの実装は、細部に至るまで洗練されつつある．研究の進捗を促進するため，研究成果を体系的にまとめ，国内外の学会で発表して評価を受ける必要がある．また，効率的に進めるために計画的に原稿を執筆することが重要である．

Causes of Carryover

研究成果を国内外の学会で発表するための旅費について，学術論文の執筆に十分な時間を確保できなかったため，旅費を使用することができなかった．この旅費は令和６年度に使用する予定である．