2021 Fiscal Year Research-status Report
Inducing a sense of accomplishment by mental workload and revealing fatigue masking by analyzing electroencephalogram and heart rate variability
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21K04564
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊賀崎 伴彦 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70315282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 里織 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (40599213)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 気分プロフィール検査 / 脳波指標差 / 心拍変動指標差 / 主成分分析 / 疲労 / 活気-活力 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常な男子大学生4名(21~25歳)、女子大学生2名(23歳)を被験者とした。被験者は、脳波および心電図記録のための電極を装着し、シールドルーム内に設けられた椅子に座り、実験を受けた。作業は、机上に置かれた白色無地のジグソーパズルの完成とし、40ピース(低難易度)、60ピース(中難易度)、106ピース(高難易度)のいずれかが無作為均等に選択された。制限時間は40分とし、制限時間内にジグソーパズルが完成した場合は即刻作業終了、完成しなかった場合は強制作業終了とした。作業開始前と作業終了後にそれぞれ5分間の開眼安静状態を維持し、作業開始前開眼安静前と作業終了後開眼安静後に、気分プロフィール検査が指示された。以上を1実験とし、各難易度が午前と午後に1回ずつ選択されるよう、各被験者合計6実験行った。また、脳波および心電図(心拍変動)から取得した指標を統計分析することで、作業に対する心理量を生理量で統計学的に表現することができるか、その基礎的な検討を行った。その結果、感情スコアと脳波指標および心拍変動指標との相関については、作業前開眼安静状態区間を基準とする指標差を用いて被験者間および実験間のばらつきを軽減することで、作業終了前区間において、多くの感情スコアと多くの指標差の間に有意な相関を認めることができた。よって、気分プロフィール検査は、作業実行中の感情を表現できていたと考えられる。また、主成分分析の結果より、作業前開眼安静状態を基準とする脳波指標差、心拍変動指標差に対して主成分分析を行うことで、疲労などのネガティブ感情だけでなく活気-活力や友好といったポジティブな複数の感情を、3次元空間内に表現することができた。すなわち、生理学的指標の測定により、心理学的指標の測定を行わずとも感情を視覚的に提示することができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
いわゆる「コロナ禍」により人間どうしの接触が困難であった時期が相当期間あり、その間の実験を実施することが不可能であったため、当初計画していた後期成年者実験(対象:大学B1~M2(18~24歳))の各学年10名(合計60名)には遠く及ばない状況となっている。「研究実績の概要」では、1月末日までに実験を実施できた6名分の結果を記載したが、実験そのものは3月末日現在でのべ12名分まで実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に記載したタイムテーブルと照らし合わせ、進捗は半年遅れであると見積もっている。そこで、助成金額が計画の約60%であったことも鑑み、まずは未達となっている、後期成年者実験の目標被験者数を6学年10名(合計60名)から各学年6名(合計36名)に減少し、2022年6月をめどに完了する。つぎに、壮~中年者実験(対象:大学教職員20歳代~60歳代)も目標被験者数を5年代12名(合計60名)から4年代(25~34歳、35~44歳、45~54歳、55~64歳)9名(合計36名)に減少し、2022年12月をめどに完了する。その後、研究中間まとめと実験再準備を2023年3月までに行うとともに、2024年度に高齢者実験(対象:60歳代~80歳代)および後期少~前期青年実験(中学1年~高校3年)の実験を実施できるかどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
いわゆる「コロナ禍」により人間どうしの接触が困難であった時期が相当期間あり、その間の実験を実施することが不可能であったため、それにともなう消耗品費および研究協力謝金の支出が予算を大幅に下回った。2022年度は、2021年度に実施できなかった実験を実施することにより消耗品費と研究協力謝金が、実験の実施を加速させるための機器の購入により物品費が、また、対面形式による学・研究会が増加傾向であることからその参加による旅費が、それぞれ執行可能な見込みである。
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