2021 Fiscal Year Research-status Report
組織・集団・個人レベルの諸要因が組織学習に及ぼす影響
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21K04570
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
安達 悠子 愛知大学, 文学部, 准教授 (40629945)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 組織学習 / 組織文化 / 心理的契約 / 心理的安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
会社などの組織が変化する社会情勢のなかで健全に継続し続けるためには,組織学習が不可欠だと考えられている。本研究では,組織で組織学習がどのように達成されるかという組織学習に至るプロセスを検討することを目的にした。 組織に関わる諸要因を個人,集団,組織というレベルで捉える観点からみると,組織学習は個人レベルに位置する要因とされる。本研究では個人レベルの組織学習へ至るプロセスを組織レベルから組織文化,集団レベルから心理的契約と心理的安全を取り上げて,質問紙調査で検討する。そのために,本年度は,組織学習,心理的契約,心理的安全,組織文化の研究や尺度の把握を進めた。組織学習は低次学習であるシングルループ学習(内的あるいは外的な環境変化による問題を察知し,それに対して既存の組織的価値や規範を維持する形で解決を試みる学習)と高次学習であるダブルループ学習(ダブルループ学習とは組織・集団のあり方の改善を意図して,率先して組織の既存の知識や価値観や手順という解釈枠組みそのものを見直し,修正すること)とに分類される。組織がよく継続するには,シングルループ学習に加え,絶えずダブルループ学習が実現されていると指摘されている。そのため,組織学習はシングルループ学習とダブルループ学習の両面から把握できる尺度を調査に当たっては使用することが望ましかった。心理的契約は現在では従業員の態度を解釈する概念として使用されていることから組織学習に関与すると考えられ,心理的安全は個人の学習行動をもたらすと指摘されているが,概念の変遷や他概念との混在が見られるために本研究に即した尺度を用いる必要があった。また,組織文化は主観的知覚で測定できる尺度を選定が望ましいと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度途中から研究中断が生じたため,現在までの達成度はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
使用する尺度の見直しや調査の調整など質問紙調査に向けて準備を進める。
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Causes of Carryover |
資料入手に所属機関のサービスなどが利用できたことと年度途中から研究中断が生じたことから,次年度以降に使用が生じた。調査に向けた準備の費用として使用することを計画している。
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