2021 Fiscal Year Research-status Report
女性におけるロールボックスパレット使用時の身体的負担及び視覚特性
Project/Area Number |
21K04571
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
佐藤 望 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (60268472)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ロールボックスパレット / 女性作業者 / 身体的負担 / 視覚特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、女性がロールボックスパレットを操作する際の身体的負担及び視覚特性を生理指標及び主観指標を用いて明らかにすることにより、女性が健康で安全に働く作業環境を整備するための知見を得ることである。 ロールボックスパレットは軽量化が進んでおり、比較的弱い力でも操作が容易である。また、積載許容重量が500kg程度までのものも多い。このような利便性の高さ故に、ロールボックスパレットは荷物運搬機器として頻繁に使用されているが、積載重量如何によっては操作時に過度の身体的負担が生じ、重大な事故を引き起こす危険性が高まる。ロールボックスパレットに関わる安全問題については、ロールボックスパレット操作に関わる事故が少なからず発生していることから、国内外において検証が進められつつある。しかしながら、次の点について体系的に検証を行った研究は認められない。第一点はロールボックスパレット操作時における身体的負担の性差である。第二点はロールボックスパレット操作時における視覚的注意の配分特性である。第三点はロールボックスパレットを複数の作業者で操作した場合における身体的負担及び視覚的注意の配分特性である。 したがって、本研究では次の二点について、性差、操作人数間の比較を行う。第一点としてロールボックスパレットの操作に起因する腰痛や頸肩腕障害を予防するために、ロールボックスパレット操作時の腰背・肘・手腕部の負担を定量的に評価する。第二点としてロールボックスパレット操作時の安全性を向上させるために、ロールボックスパレット操作時の視覚的注意配分特性を定量的に評価する。 2021年度はロールボックスパレットに搭載する運搬物の重量、積載位置、積載の高さを決定した。また、交付申請書に記載した実験手続きの再検討を行い、実験プロトコルを確立した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は女子大学生20名を対象として実験を実施する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、大学キャンパス内への入構制限期間が生じたため実験参加者の確保が困難であった。また、本研究では実験時に使用する計測機器(アイトラッカー、ゴニオメータ)を身体に装着する必要があることから、接触感染のリスクを考慮し、実験の延期を決定した。 実験実施の準備体制は整備されているが、以上の理由により、データ収集に着手していない状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は2021年度に実施予定であった女性20名を対象とした実験、および、当初の予定どおり男性20名を対象とした実験を実施する予定である。いずれもロールボックスパレットを単独で操作した際の身体的負担および視覚特性に関するデータ収集を行う。以上により研究進捗の遅れを解消することを目指す。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、当該年度に実施予定であった実験を延期した。その結果、実験に関わる消耗品費、実験参加者謝金が未使用となった。 次年度は当該年度に実施予定であった実験を実施する計画しているため、未使用分額を当初の交付申請どおり消耗品費、実験参加者謝金として使用する。
|