2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a real-time neutron and gamma-ray simultaneous discrimination energy analysis detector
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21K04580
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
鎌田 創 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 主任研究員 (30581649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 雅之 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 放射光科学研究センター, 併任 (10450363)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 波形弁別測定 / 中性子 / ガンマ線 / モンテカルロシミュレーション / シンチレータ / CLYC |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線被ばく事故・核テロ事象において、初動対応者が現場の放射線環境を迅速かつ正確に推定することは、非常に重要である。現場では、ガンマ線が発生するのみならず、中性子が発生する状況も想定される。そこで、発生した放射線を弁別し、それぞれの放射線のエネルギー測定が同時にできれば、現場の線源情報を把握できるだけでなく、被ばく線量の推定に非常に有効である。そこで、本研究では、3Heガスの中性子検出素子の代替として近年開発されたCLYCシンチレータに着目し、一台で中性子とガンマ線を弁別しながらエネルギー測定できるリアルタイム検出器を開発することを目的とする。 今年度は検出器較正用のガンマ線源(22Na、60Co、137Cs)と中性子線源(241Am-Be)を用いて、 検出器の出力信号波形の信号処理回路のパラメータ最適化を実施した。信号処理回路はFPGAであり、検出器出力信号波形が波形識別法でディジタル信号処理される設計となっている。これによって、波形識別性能並びにエネルギー分解能を確認したところ、中性子とガンマ線の粒子弁別性能並びに中性子に起因したエネルギーピークの分解能は過去の実測値と概ね共通していた。一方のガンマ線に起因したエネルギーピークの分解能については、波形積分時間を中性子・ガンマ線弁別測定で今回最適化した値の10倍程度にしないと過去の文献値を再現しないことがわかった。また、CLYCのガンマ線、中性子線に対する応答特性(検出器計数率と中性子束の比で定義)のエネルギー依存性(以下、エネルギー応答特性)を実測した。検出器校正用チェッキングソースを用いて実測したエネルギー応答特性をモンテカルロコードPHITSを用いて比較検証した。シミュレーションは、実測値を概ねよく再現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
波形弁別回路パラメータの取得、シミュレーションのモデル構築、線源を用いたエネルギー応答特性等のデータが問題なく取れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
加速器を用いて、線源では取得できなかったエネルギー点での応答関数の測定やシンチレータの発光量・エネルギー特性を実測する。また、そのシミュレーションを実施する。
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Causes of Carryover |
参加予定だった国際会議がコロナ禍により2022年度に延期となったため。
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