2023 Fiscal Year Research-status Report
劣オーソリティ環境の為の分散知能情報基盤による災害救助活動の機械化
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21K04582
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
久保 正男 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 准教授 (30292048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 佐織 海上保安大学校(海上保安国際研究センター), 海上保安国際研究センター, 教授 (00559239)
佐藤 浩 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 准教授 (30295737)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マルチエージェントシミュレーション / ゲーム理論 / ソーシャルネットワークサービス |
Outline of Annual Research Achievements |
災害現場に完全なオーソリティがいない場合,災害現場の状態がわかる自律的な情報基盤の実現が管理の要である.オーソリティがいないので,市民から提供される情報には間違いを含むかもしれないし,集計時にミスが起こるかもしれない.本研究では,このような環境で,情報を機械的に処理しながらも正しい情報のみが提供できる方法について取り組んでおり,昨年度まで,災害現場のシミュレーションの開発,ゲーム理論を用いたステークホルダとその利得分析による安定性の調査,シミュレーションの為の計算機環境構築を行ってきた. 本年度は昨年度行ったゲーム理論を用いたステークホルダの安定性についての研究結果をもとに,情報共有の観点から情報基盤を単純化したシミュレーションを作成して,その真正性や安定性について網羅的なシミュレーションをおこなった.その結果,1)投稿するコストをできるだけ軽減することが社会活動を活発にすること,2)多数決で真偽を決定するシステムでも,悪意ある投稿者を罰することができれば健全な初期状態を維持できることを明らかにできた.両者ともに論文にまとめ,1)については投稿準備中で,2)については6月に公開される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
完全なオーソリティがいない災害現場を管理する為には,現場の真実を自律的に提供できる情報基盤が必要である.これを実現するためには,間違いを含む情報を機械的に集約して正しい情報のみが提供できる理論が必要で, 昨年度までは,災害現場の情報基盤のマルチエージェントシミュレーション,ゲーム理論を用いたステークホルダエージェントらの利得と安定性の調査を行ってきた.本年度ではこのゲーム理論を用いた分析によって,狙いとする状態が達成可能であることがわかった.また,同様の状態が情報基盤マルチシミュレーション上でも再現でき,多数決により真偽判定でも,悪意ある検証者を罰することができれば,健全な初期状態を維持できることを明らかにした.この研究を発展させて,より人々も活動を再現できる精度の高いモデルを提案できれば本研究の目的に達すると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
より精度の高いモデルを提案するため,災害SNSシミュレーション/エミレーションの開発し,提案モデルをより具体的にする.
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Causes of Carryover |
予定していたウェブサービスを科研費で使用することが手続き上難しいことがわかり,保有機材で行える研究を先に実施した為
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