2022 Fiscal Year Research-status Report
RIM法による土石流内部の流木流下過程の解明と橋梁閉塞対策に関する特進研究
Project/Area Number |
21K04609
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
岡本 隆明 名城大学, 理工学部, 准教授 (70599612)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 屈折率マッチング / 流木集積 / 橋に架かる力 / 流木長 / 流木捕捉率 |
Outline of Annual Research Achievements |
流木によって河川が閉塞した場合の氾濫被害について調べるために.実験水路を用いて橋梁部での流木集積実験を行って,せき上げ水深の時間変化を計測した.橋模型として1本の橋梁模型を用いた.投入本数は最大2000本としてせき上げ水深が増加しなくなるまで流木投入を続けている.橋梁部での全面閉塞の限界条件,流木長による閉塞率の変化を明らかにした.流木長が長くなると閉塞率が減少する傾向がみられた.流木の捕捉角を計測することで,流木長が長くなるほど流水から流木が力を受ける投影面積が小さくなり,流木が沈下しにくくなるためであることがわかった.また橋梁にかかる力をフォースゲージで計測して,流木集積によって橋にかかる力がどれぐらい増加するか調べた. 土中の流れを可視化するために,石英ガラスとヨウ化ナトリウム液を用いて屈折率マッチングを行った.屈折率計を用いて石英ガラスとヨウ化ナトリウム液の屈折率を整合させ,土中を可視化することができた.土中の流れを可視化するためパイピング現象時の石英粒子の動きを追跡し,水みちができたときの流出する土粒子の速度を計測することができた.本研究の手法では土中を可視化しているため,壁面から遠い位置の粒子を追跡することができ,壁面摩擦の影響がない速度を算出することができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
流木集積のよる河川災害については実験計画通りに進められ,前年度にはわんどを用いた流木捕捉システムを考案し,実験を行っている.今年度は流木集積時の橋梁部での氾濫被害について調べた.閉塞率への流木長の影響や橋梁にかかる力を計測し,成果としてまとめることができた.次年度は蛇行河川を用いた流木捕捉システムについて実験を行う. 土中の流れの可視化するために屈折率マッチングを行い,石英とヨウ化ナトリウム液の屈折率を整合することができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は流木混じり土石流を研究対象としており,河川に流出した流木を除去するため,河川の蛇行地形を利用した流木捕捉システムについて流木捕捉実験を行う.蛇行河川の外側にバイパス水路を設けて,バイパス水路の形状を変化させることで流木捕捉率の変化について調べる. 屈折率マッチング法を用いてパイピング現象時の粒子の速度を算出することができたため,土石流中の水の流れの可視化にも適用できる
|
Causes of Carryover |
移動床ボックスが当初予定よりも安く購入できたため. 氾濫原模型を作成するのに使用する予定である.
|