2021 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Disaster Learning Methodologies with Focus on the Real and Virtual Environments of Places for Disaster Learning and Relationships among People
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21K04614
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
豊田 祐輔 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (00706616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鐘ヶ江 秀彦 立命館大学, 政策科学部, 教授 (90302976)
村中 亮夫 立命館大学, 文学部, 准教授 (10434713)
金 度源 立命館大学, 理工学部, 准教授 (40734794)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 防災学習 / 学習の場 / 参加者 / 手法 / 地域コミュニティ / 防災活動 / 学校 / 防災教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は場と関係性の現実・仮想環境で示される「防災学習手法の環境枠組み」に基づき、防災学習教材・手法をレビューすることを目的とした。「防災学習手法の環境枠組み」とは、防災学習が実施される場が現実(災害対応をする場所)か仮想(それ以外の場所)か、また学習する参加者たちの関係性が現実(参加者の関係が実際に災害対応をする住民の関係と同一)か仮想(それ以外の関係性を持つ参加者)かという2軸4象限で構成される枠組みである。本枠組みに基づき、日本における地震防災に関わる防災学習(地域コミュニティでの防災活動や学校での防災教育)の先行研究をまとめた。その結果、地域コミュニティでの防災学習については、(実践ではされているが)避難所運営に関する現実(場所)-現実(関係性)に関する研究が不足していること、現実-仮想は避難に焦点を当てていること、仮想-現実ならびに仮想-仮想については研究が豊富であることを明らかにした。一方、学校での防災学習については、現実-現実ならびに現実-仮想に関する研究は見当たらなかったが、地域に出て防災マップを作成する試みなどは実施されておりさらなる研究が求められること、仮想-現実ならびに仮想-仮想については地域コミュニティ研究とともに充実していることを示した。以上より、研究が行われていない象限がそのまま防災課題とはならないものの、コロナ禍やDXが進む社会において、上記の実施されているものの研究としての評価が手薄である点や、自宅で実施するべき防災項目を自宅で学ぶ活動など単純ではあるが効果については十分に検討されていない点があるなどの研究課題を提示した。以上の研究結果から、今後とるべき活動への示唆を得るとともに、次年度以降の研究の基礎資料を提供することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による出張の制限などはあったが、研究自体はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は「防災学習手法の環境枠組み」に関わる背景理論として活動理論を適用し、地域コミュニティでの防災活動や学校での防災教育における防災学習実施にあたっての理論的検討と事例への当てはめを行う。具体的には活動理論を防災学習に当てはめた他研究者による事例検討を始め、それぞれの研究者がフィールドとしている事例において活動理論がどのように位置づけられるのか、さらに4象限で示される「防災学習手法の環境枠組み」のどの象限の活動が実施され、その効果はどのようなものなのかを検討していくことで、防災学習実施の背景(活動理論)、実施内容(4象限の枠組み)、実施結果(防災学習の評価項目)という防災学習のより包括的な枠組みの検討と課題の抽出を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍に伴い現地調査が進まなかったため。次年度においては感染状況を確認しつつ、現地調査を実施する。
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