2022 Fiscal Year Research-status Report
一軸異方性を有する金属強磁性体の有限温度磁気特性に関する理論研究
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21K04624
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| Research Institution | Akita National College of Technology |
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Principal Investigator |
三浦 大介 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90708455)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 有限温度遍歴磁性 / 帯磁率 / 結晶磁気異方性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで，磁気異方性を有する強磁性金属の最小模型においてスピン帯磁率χと結晶磁気異方性定数Kの両方を絶対零度からCurie点以上に渡る全温度領域において統一的立場から記述してきた．2021年度はDLM-CPAかつ最小模型の範囲ではあるが，χ-TとK-T曲線を求める計算を実際に実行し，その振る舞いが模型のパラメータに強く依存することを示した．ただし，物質の個性を研究するには模型が単純過ぎるため，2022年度は実際の第一原理計算に使用されている tight-binding linear muffin-thin orbitals ハミルトニアンH_TBからχ-Tを得るための定式化を進めた．先の単純模型との違いとして（１）H_TBでは電子の自由度として方位量子数と磁気量子数が追加される，（２）H_TB自体が外界の温度と化学ポテンシャル，外場（外部磁場）に対して自己無撞着に決定される，という点がある．χの微視的表示を得るためには，スピン-スピン相関関数の統計平均を計算するという標準的な久保公式の方法は不適であることがこれまでの研究からわかってきたため，本年度は特に（２）に焦点を当て，前年度の理論的枠組みを有限温度密度汎関数理論に基づいて再構築した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最小模型の知見を第一原理強結合模型に反映させ，現実的な計算を実行するには，幾らかの簡単化（近似）を認める必要があることが明らかになった．しかし，その他の理論的構造については概ね想定通りである．
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| Strategy for Future Research Activity |
最終年度は，第一原理強結合模型においてχ-TやK-Tの計算を実行できるよう定式化を進め，計算コードを実装していく予定である．また，前述の近似の妥当性も評価する予定である．
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| Causes of Carryover |
半導体製品の供給不足により，計算機関連部品が入手困難であった．該当部品は，次年度に購入予定である．
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