2021 Fiscal Year Annual Research Report
Magnetization Reversal Dynamics in Rare-Earth Permanent Magnets with Valence Fluctuations
Project/Area Number |
21K04625
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉岡 匠哉 東北大学, 工学研究科, 特任助教 (00724387)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 希土類永久磁石 / 価数揺動 / 磁化反転動力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では, 価数揺動を有する希土類遷移金属化合物における結晶場理論の枠組みを拡張し, 価数揺動が有限温度磁気異方性に与える影響を明らかにすることを目的とする. そのために, 第一原理計算によって, 希土類・遷移金属間化合物の電子状態を正確に求め, 磁化反転動力学を解析することで磁性材料としての性能を予測する. まず, 希土類遷移金属化合物(2-14-1系)における磁化曲線の精密な測定と計算模型の検証を行なった. その結果, 磁化が困難軸方向に向けられたときに希土類サイトの磁気モーメントの大きさが減少することを明らかにした. このモーメントが減少する割合は局所的な磁気異方性と相関があることを明らかにした. これらの結果は, 第一原理計算に基づく計算とコンシステントであることを確認した. この成果は国際雑誌J. Magn. Magn. Mater.で公開された. 次に, SmFe12に対する添加置換効果について調べた. その結果, Smにおけるf電子が局在した状態を仮定したモデルによって, 実験で観測されるfirst order magnetiation processを再現することを明らかにした. この成果は国際雑誌Phys. Rev. Bで公開された. 以上の結果から, 我々が調べた範囲内では, 局在したf電子状態を仮定すると平衡状態における磁気特性を再現することが確認された. 最後に, これらの結果をもとに Nd2Fe14BとSmFe12における結晶粒を想定した真空表面をもつ局在スピンモデルを構築し, 磁化反転動力学を調べた. その結果, どちらの系においても保磁力が20%から30%程度低下することを明らかにした. この成果は国際雑誌Science and Technology of Advanced Materialsで公開された.
|
Research Products
(6 results)