2022 Fiscal Year Research-status Report
薄膜積層型垂直熱電発電デバイスの形成と走査型プローブ顕微鏡による電位分布解析
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21K04629
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有田 誠 九州大学, 工学研究院, 助教 (30284540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗藤 伸治 九州大学, 工学研究院, 教授 (20380587)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 熱電発電 / 半導体 / 薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、多層化に向けての第一段階としてn-Si薄膜/p-Si薄膜2層接合構造をRFマグネトロンスパッタリング法により作製し、さらにいくつかのパターンで金属電極をスパッタリング法により薄膜形成し、p/n2層構造による熱電発電デバイス化を試みた。これらのデバイスにおいて、温度勾配を与えた際に取り出せる起電力・電流・最大電力の検証を行った。 また、堆積面積の異なるp-Si薄膜とn-Si薄膜により構成される垂直熱電発電積層試料を作製し、様々な温度条件で温度勾配を付与し、異なる温度分布における試料面内方向のp-Si領域およびn-Si領域における電位分布と温度分布等の熱電発電特性の違いを詳細に調査した。 合わせてn-Si薄膜/p-Si薄膜2層試料について、その電気抵抗率と形状を用いてモデル化し、温度勾配のない無起電力時における外部印加電流と試料内に生じる電位の分布を有限要素法シミュレーションによって解析し、デバイス化時において効率的に電流を取り出すための電極位置に関する情報を得た。また、実際の電流-電圧測定の結果と比較し、その整合性について検討した。 これらn-Si薄膜/p-Si薄膜2層構造から成るデバイスの熱電発電特性は、p-Si薄膜とn-Si薄膜間の等電位点の位置により大きく左右されることが示唆された。 また、ケルビンフォース顕微鏡による観察のための試料ステージを試作し、作製した2層p-Si薄膜/n-Si薄膜接合試料をへき開した断面の表面電位分布測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薄膜熱電発電素子の試作においては、p-Si/n-Siの2層構成によるデバイスの作製とその発電特性の調査まで実施した。また、ケルビンフォース顕微鏡による観察のための試料ステージの試作を終え、表面電位測定を継続して実施しており、温度条件の設定等の調整とステージの要改良点が明らかになってきたところである。
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Strategy for Future Research Activity |
薄膜熱電発電素子の作製においては、p-Si/n-Si2層を絶縁層を介してさらに積層したモジュルーの試作を行い、起電力の向上を目指す。また、ケルビンフォース顕微鏡による観察のための試料ステージを改良し、様々な条件における表面電位分布の測定を実施し、モジュールの発電特性との関連を明らかにする。
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Causes of Carryover |
今年度の2層発電素子の試作とその特性評価により薄膜素子の温度条件が発電特性に与える影響が大きいことがわかり、その条件に合わせた温度勾配を実現できる電位分布測定用の試料ステージの設計と改良を次年度に実施することとした。その為の予算を現状繰り越しており、最終的には次年度に当初予定の総額を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)