2023 Fiscal Year Annual Research Report
Atomistic modeling of dislocation dynamics with first principles accuracy
Project/Area Number |
21K04631
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Research Institution | College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
森 英喜 産業技術短期大学, その他部局等, 准教授 (00456998)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 転位動力学 / 高精度機械学習原子間ポテンシャル / 原子モデリング / オロワンループ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまでに開発に成功した密度汎関数(DFT)精度をもつ体心立方(BCC)鉄ニューラルネットワーク型(ANN)原子間ポテンシャルを用いて原子モデリングに基づいた大規模な転位進展解析を行うことである。転位進展のダイナミクスを定量的かつ複合的に解析を行うとともに、特に、金属強度に大きな影響を与える転位と析出物やボイドなどの障害物との相互作用を解析することである。
本年度は,前年度でから引き続き高速化を行ったANN原子間ポテンシャルを用いて、100万原子規模での分子動力学法による高精度大規模な転位動力学計算を行った。刃状転位と応力によって進展させ、進路上にある剛体球と接触させることによって、転位と剛体球との相互作用を解析を行った。特に刃状転位が剛体球を通過するの必要な臨界せん断応力および転位の張り出し形状の詳細を原子レベルで解析した。この際、一部の転位が剛体球の周囲に残存するいわゆるオロワンループの形成を確認した。さらに刃状転位を進展させ、刃状転位と剛体球まわりに残存したオロワンループと相互作用の解析を行った。解析の結果、オロワンループがハッシループと呼ばれる二つの小ループに分解されることによって、刃状転位が剛体球およびオロワンループをバイパスしていくことが分かった。このメカニズムによって、刃状転位がオロワンループをバイパスする際にもボイドや剛体球と同程度の臨界せん断応力で通過できることが分かった。
研究期間全体を通して、転位進展のダイナミクスを定量的かつ複合的に解析を行い、転位とボイドおよび剛体球との相互作用を高精度に解析することに成功した。これまでの鉄の大規模原子シミュレーションの問題点やハッシループの形成などの新しい知見を得ることに成功した。これらは開発した鉄ANN原子間ポテンシャルの有用性を示すとともに、鉄構造材料開発に向けて非常に重要な結果であると考える。
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Research Products
(6 results)