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2021 Fiscal Year Research-status Report

高電荷密度マイカの六角スペースのサイズ制御によるイオン交換特性の向上

Research Project

Project/Area Number 21K04640
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

樽田 誠一  信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (00217209)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords高電荷密度マイカ / 四面体型マイカ / 同形置換 / 構造解析
Outline of Annual Research Achievements

①新規高電荷密度マイカの合成方法の確立
四ケイ素型で高電荷密度の新規マイカとして、組成がNa4MgxLi2(4-x)Si8O20F4 で、x=2, 3, 4の3種類のマイカの合成を、化学試薬を混合し、混合物を密封容器中で加熱することで試みた。その結果、x=2では950℃以上、x=3では1000℃以上、x=4では1150℃以上で加熱して、混合物が溶融すると、冷却中にマイカがほぼ単一相として生成することが確認された。生成したマイカの格子定数, FT-IRスペクトルおよびNMRスペクトルの分析から、x=2と3のマイカはほぼ目的の高電荷密度マイカであると考えられた。しかし、x=4のマイカに関しては、層間に位置すべきNa+イオンの一部が、マイカの八面体シートの空孔に位置していることが明らかとなり、目的の高電荷密度マイカとは異なった。
②Na-4-マイカの同形置換と構造解析・Na+イオンの位置特定・六角スペースの計算
代表的な高電荷密度マイカであるNa-4-マイカ(Na4Mg6Al4Si4O20F4)の四面体シートにあるAl3+およびSi4+をそれぞれより大きなサイズのGa3+およびGe4+への同形置換を試みた。Al3+をGa3+へ置換したマイカは1000℃で2時間加熱することで容易に得られたが、Si4+をGe4+へ置換したマイカは1000℃で10時間以上加熱しないと得られないことがわかった。また、Al3+およびSi4+をGa3+およびGe4+へ同時置換したマイカは、単一相として現在得られていない。マイカの格子定数bおよび底面間隔c・sinβは、サイズの大きいGa3+およびGe4+を同形置換することで大きくなるが、六角スペースは逆に小さくなった。これは、大きくなった四面体シートとサイズが変化しない八面体シートのサイズのミスマッチによるものと考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

①新規高電荷密度マイカの合成方法の確立
この課題については、予定通り研究が行われた。x=4のマイカに関しては、目的の高電荷密度マイカではなかったが、この結果は予測できたもので、目的の高電荷密度マイカではないが、新規マイカに違いはなく、今後、この得られたマイカの同形置換およびイオン交換特性などを検討する予定である。
②Na-4-マイカの同形置換と構造解析・Na+イオンの位置特定・六角スペースの計算
この課題については、Si4+をGe4+へ置換したマイカの合成、Al3+およびSi4+をGa3+およびGe4+へ同時に置換したマイカの合成が困難であり、その合成に時間を費やした。そのため、当初、四面体と八面体の置換(四面体シートにあるAl3+およびSi4+をそれぞれより大きなサイズのGa3+およびGe4+へ同形置換,八面体にあるMg2+を大きなサイズの遷移金属イオンへの置換)を同時に行うことを計画していたが、令和3年度に行うことができなかった。

Strategy for Future Research Activity

2022年度は、新規高電荷密度マイカおよびNa-4-マイカの六角スペースを広げることを目的として、また、六角スペースが拡大したマイカのイオン特性を評価するため、以下の研究を推進する。
①新規高電荷密度マイカの同形置換とその評価
新規高電荷密度マイカ(Na4MgxLi2(4-x)Si8O20F4 (x=2))について、四面体にあるSi4+をよりサイズの大きなGe4+へ、また、八面体にあるLi+およびMg2+をそれぞれ大きなサイズのNa+あるいは遷移金属イオンへと同時に置換を行う。それに先立ち、Si4+をGe4+へ置換する単一の置換について行う。なお、八面体にあるLi+をNa+への単一置換は困難であることがすでに明らかになっている。また、新規高電荷密度マイカ(Na4MgxLi2(4-x)Si8O20F4 (x=4) )については、すでに八面体にLi+やMg2+よりも大きなNa+イオンが配置されているため、Si4+をGe4+へ置換する単一置換について行う。それが実施できた後、八面体のMg2+をサイズの大きな遷移金属イオン(初めに、Co2+)へ同形置換する。
②Na-4-マイカの同形置換と置換体のイオン交換特性
代表的な高電荷密度マイカであるNa-4-マイカ(Na4Mg6Al4Si4O20F4)の八面体にあるMg2+を大きなサイズの遷移金属イオン(初めに、Co2+)との同形置換を試みる。その置換についての知見が得られた後、その八面体での置換と四面体のAl3+およびSi4+をそれぞれより大きなサイズのGa3+およびGe4+への置換の同時置換を行う。
以上、得られたマイカ置換体について、構造解析、六角スペースのサイズの計算、Na+の位置の特定を行う。六角スペースが拡大したマイカについて、アルカリ金属イオンとのイオン交換特性を検討する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 雲母材料の合成と機能化2021

    • Author(s)
      樽田誠一
    • Journal Title

      セラミックデータブック 2021/22

      Volume: 49 Pages: 74-77

  • [Presentation] 透明なリチウムマイカ結晶化ガラスのAg+イオン交換 およびイオン交換体の性質2022

    • Author(s)
      松山 貢士, 野﨑功一, 樽田誠一
    • Organizer
      日本セラミックス協会2022年年会
  • [Presentation] 異なる溶融塩を用いたイオン交換によるジルコニア/Na-4-マイカ複合体の化学強化2021

    • Author(s)
      山地翔大, 山上朋彦, 山口朋浩, 樽田誠一
    • Organizer
      日本セラミックス協会第34回秋季シンポジウム
  • [Presentation] 透明なリチウムマイカ結晶化ガラスのAg+イオン交換およびイオン交換体の抗菌性2021

    • Author(s)
      松山貢士, 野﨑功一, 樽田誠一
    • Organizer
      第37回日本セラミックス協会関東支部研究発表会
  • [Presentation] 高電荷密度型Naテニオライトのイオン交換とイオン交換体の加熱変化2021

    • Author(s)
      三宅翔也, 樽田誠一
    • Organizer
      第64回粘土科学討論会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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