2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of local structure of high-pressure synthesized perovskite oxyfluorides
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21K04644
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
勝又 哲裕 東海大学, 理学部, 教授 (90333020)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 複合アニオン化合物 / ペロブスカイト型酸フッ化物 / 局所構造解析 / へキサゴナルタングステンブロンズ型酸フッ化物 / 層状ペロブスカイト型酸フッ化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度から引き続き進めている、a) BaFeO2F等の立方晶ペロフスカイト型酸フッ化物の中性子回折実験 b) へキサゴナルタングステンブロンズ型酸フッ化物、新規層状ペロブスカイト型酸フッ化物の合成、構造解析を行い、さらに令和4年度に計画していた、(i)正方晶ペロフスカイト型酸フッ化物、AgTiO2Fの局所構造解析に取り組んだ。 a)についてはJ-PARCにて5K~300Kにおいて飛行時間型中性子回折実験を行い、構造解析に取り組んでいる。現在、データを整理し、PDFデータと比較、検討を進め、今年度中に論文として投稿する予定である。b)についても合成、キャラクタリゼーションを進めており、Nbを含む へキサゴナルタングステンブロンズ型酸フッ化物については光触媒活性、新規層状ペロブスカイト型酸フッ化物、Bi2FeO3F3については100K以下でのスピングラス挙動を確認しており、令和5年度でのさらなる研究の進捗を目指す。(i)については、測定、解析が完了し、当初、予想されていた陰イオンの秩序配列は観察されず、それ以外の何らかの結晶化学的要因が、AgTiO2Fの特異な構造に寄与していると推察された。これら成果については関連学会にてすでに報告している。一方、(i)と同様に、令和4年度に計画していた (ii) A3+B2+O2F酸フッ化物の合成、構造解析、局所構造解析については、類似化合物である、新規へキサゴナルタングステンブロンズ型酸フッ化物、層状ペロブスカイト型酸フッ化物の合成に成功し、また、興味深い性質が確認された事から、研究計画を変更し、これら化合物に関する研究に注力したため、次年度以降に引き継ぐ予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度に終了できなかった研究については、令和4年度に引き続き行い、当初の計画通りほぼ完了させることができた。また当初計画していた、A3+B2+O2F酸フッ化物の合成、構造解析は行えていないが、実績概要で述べた様に、類似化合物であるへキサゴナルタングステンブロンズ型構造、層状ペロブスカイト型構造を有する新規酸フッ化物の合成、キャラクタリゼーションに成功していることから、概ね予定どおりに進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
BaFeO2Fについては、各種データを整理し、論文として投稿する。当初、令和5年度は(i)A3+B2+O2F酸フッ化物の合成、構造解析、局所構造解析を行う計画であったが、進捗状況で記述したように、へキサゴナルタングステンブロンズ型構造、層状ペロブスカイト型構造を有する新規酸フッ化物の合成に成功しており、また、それぞれ、光触媒活性、スピングラスなど興味深い性質も観察されていることから、計画を変更し、これら化合物の構造解析、機能開拓を中心に進めていく予定である。これらの研究は従来予定した計画とほぼ同じ設備、手法で遂行できることから、研究計画の軽微な変更で対応できると考えている。
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Causes of Carryover |
研究で使用するEDX装置が故障したため修理が必要であったが、単年度予算では修理費を捻出できなかったため、次年度使用予算として繰越し、次年度予算と合算して、修理する予定である。
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