2021 Fiscal Year Research-status Report
Fabrication of Lead-Free Large Piezoelectric Single Crystals by Novel Rapid Solid-state Crystal Growth Method and Elucidation of the Growth Mechanism
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21K04661
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
石井 啓介 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 教授 (30257208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 貴明 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 助教 (70754795)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高速固相結晶成長 / アルカリニオブ系材料 / 圧電単結晶 / 異常粒成長 / Bサイト過剰組成 / 混合仮焼粉 |
Outline of Annual Research Achievements |
大型の単板状(K0.5Na0.5)NbO3(KNN)単結晶を作製するために開発された急速固相結晶成長法について,良質な単板状大型単結晶が成長する作製条件を拡大するため,仮焼粉のBサイト過剰率とBi2O3添加量,および,加熱温度の3条件を種々組み合わせ,試料の試作を繰り返した.その結果,単板状大型単結晶の成長可能な条件が,従来のピンポイントからより広い領域に拡大され,より柔軟な作製パラメータの選択が可能となった. 上記3条件の内,仮焼粉のBサイト過剰率は,高速成長の元となる異常粒成長を促す重要な要素である.しかしながら,従来の研究では,この過剰率増加はKNN結晶粒の成長をむしろ抑制することが報告されており,我々の知見とは正反対の効果が知られていた.これら過去の知見との相反原因を解明するため,従来用いられてきた均一組成KNN仮焼粉,および,組成が異なる2種類の均一組成仮焼粉を混合させた混合仮焼粉との間で,Bサイト過剰組成が結晶成長性に及ぼす効果を比較した.均一組成の仮焼粉から成形された矩形グリーン材の熱膨張曲線は,Bサイト過剰率が増加するにつれ,高温側にわずかに移動した.一方,混合仮焼粉を用いた際には,Bi2O3添加を行っていない場合であっても熱膨張曲線が低温側へ移動したため,Bサイト過剰率と焼結温度との間に明らかな負の相関が観察された.我々が開発してきた高速固相結晶成長法において重要なBサイト過剰組成による異常粒成長の促進効果は,混合仮焼粉を用いた場合に固有の作用であることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.極めて作製条件の限られていた大型単結晶の成長条件を大幅に拡大することが出来た.具体的には,研究開始当初,①Bサイト過剰率: 1%,②酸化ビスマス後添加量: 0.5wt%でしか大型単結晶が作製できなかった.研究初年度の成果により,①②のパラメータの適切な組み合わせから,①0.7%~1.75%,②0.45wt%~0.65wt%の間で単結晶を成長させることに成功した. 2.これまでの懸案であった「Bサイト過剰組成の結晶成長に及ぼす効果が過去の知見と一致しない原因」を明らかにすることが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り,以下2点について研究を進める. 1.電子スピン共鳴共鳴,X線光電子分光法,軌道放射光を用いたX線回折法による精密分析を利用し,Bサイト過剰組成が(異常)粒成長を促進させる原因を解明する. 2.種結晶を用いることで高速固相結晶成長する大型単板状単結晶の成長方位を制御し,自発分極軸が単板の上下面と垂直な単結晶の作製法を開発する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、職場への出勤日数が制限されたため研究効率を向上する必要に迫られた。研究効率向上の結果として予定よりも実験装置の使用頻度が低下したため、比例して消耗品費の消費が大幅に抑制された。加えて、成果発表の為の学会出張が全てオンライン開催となったため、計画していた出張旅費が全て不要となった。
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Research Products
(4 results)