2021 Fiscal Year Research-status Report
Fabrication of toughened nanocomposite ceramic materials by equilibrium phase control
Project/Area Number |
21K04669
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
赤尾 尚洋 福島工業高等専門学校, 機械システム工学科, 教授 (70335503)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | セラミックス材料 / 非平衡雰囲気 / マルテンサイト変態強化 / 粒内複合化 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度はコロナ禍の影響で実験機材の調達において大幅な遅延が生じ,本研究において最も重要な雰囲気制御イメージ炉の納入が年度末となった。このため,本研究で目的とした非平衡雰囲気下での材料創成実験が行えず,今年度はその予備実験を行うにとどまっている。 予備実験としては,非平衡雰囲気条件において構成イオンの価数変化を生じると予想されるセラミックス材料(CeO2添加ジルコニア多結晶体,Ce-TZP)を空気中にて焼結する条件を探索した。現在入手している粉末原料(12mol%CeO2-ZrO2,第一稀元素 CEZ-12)に対して100MPaにて短軸成型し,1350℃×4時間にて焼結(大気中)を行うことで,96%以上の相対密度を有する焼結体を得ることが分かった。また,本研究での評価手法としてXRDによる相組成分析の結果,大部分が正方晶である事が確認できており,ビッカース硬さ試験および組織観察を行った結果,これら評価手法が十分に活用可能であることが確認できた。 今後この焼結条件を基準とし,CeO2の添加量を12~20mol%の範囲で変化させつつ,納入済みの雰囲気制御イメージ炉を用いた非平衡雰囲気下での熱処理を様々に行うことにより,それら材料の結晶内に微細な組成揺らぎ(析出相またはそのエンブリオ)を導入することを試みる。そして,そのような粒内複合化の導入とともに,母相の酸素量を後処理として酸化還元雰囲気処理により最適化し,ジルコニアマルテンサイトの生成による強化機構が発現する条件を探索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の影響で実験機材の調達において大幅な遅延が生じ,研究実験において最も重要な雰囲気制御イメージ炉の納入が年度末となった。また,実験を主に担う予定だった福島高専の卒業研究生もコロナ禍のため,研究に着手できない時期が続いたため,本研究で目的とした非平衡雰囲気下での材料創成実験が行えず,今年度はその予備実験を行うにとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では,入手している粉末原料(12mol%CeO2-ZrO2,第一稀元素 CEZ-12)に対して十分な相対密度を有する焼結体を得る条件が判明しており,XRDによる相組成分析の結果,大部分が正方晶である事が確認できている。今後この焼結条件を基準とし,CeO2の添加量を12~20mol%の範囲で変化させつつ,納入済みの雰囲気制御イメージ炉を用いた非平衡雰囲気下での熱処理を様々に行うことにより,それら材料の結晶内に微細な組成揺らぎ(析出相またはそのエンブリオ)を導入することを試みる。そして,そのような粒内複合化の導入とともに,母相の酸素量を酸化還元雰囲気処理を行うことで最適化し,ジルコニアマルテンサイトの生成による強化機構が発現する条件を探索する。 最終的にジルコニアセラミックス材料のさらなる強靱化を目指しており,これが達成されれば,もとより耐食性・耐熱性に優れるセラミックス材料がより多様な用途に応用されるものと期待される。
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