2021 Fiscal Year Research-status Report
5G対応ナノ複合強誘電体・高性能多層電磁波遮蔽構造材料の開発
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21K04675
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
倪 慶清 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (00252544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏 紅 信州大学, 繊維学部, 研究員 (40741848)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 卵白質 / 金属有機骨格 / 電磁波吸収 / シミュレーション解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,今までの電磁波遮蔽材料よりさらに高性能の新規電磁波遮蔽材料を開発し,さらに電磁波遮蔽周波数を自由に設定できる多層構造の電磁波遮蔽材料を開発することを研究目的としている. 2021年度において,まず炭素材料はその独特な機構と簡単な合成法でマイクロ波吸収複合材料として注目されている。しかし高誘電率整合による低インピーダンスのため,炭素材料は依然として優れたマイクロ波吸収材料の調製が困難である。同時に,多層複合材料はマイクロ波吸収性能を調節する潜在力を示した。そこで炭素材料の性能を向上させ,多層複合材料の構造パラメータを効果的に最適化するために,バイオマス材料と金属有機骨格を用いて高性能磁性炭素系複合材料を作製し,遺伝アルゴリズムと有限要素解析により多層複合材料の構造を最適化した。 特に炭素材料の特徴を生かし、卵白質ナノ材料および金属有機骨格ナノ構造を創製し,その電磁波吸収特性を系統的に明らかにした。さらにそれぞれを超薄およびXバンド吸収材料の調製に用いられた。また,電磁パラメータを解析することによって,マイクロ波吸収特性に及ぼす成分と形態の影響を系統的に明確している。さらに,二つの材料の特徴を組み合わせて,Cバンド吸収を持つ多層複合材料を開発した。電磁波吸収メカニズムを明確にするため数値シミュレーションも用いて多層複合材料の減衰機構を解析した。新しいマイクロ波吸収複合材料の設計と開発に重要な設計指針を提供することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
炭素材料の特徴を生かし、卵白および金属有機骨格をそれぞれ開発することに成功した。これは当初計画以上の研究成果であるため。また,電磁波数値シミュレーションも試みた。これは今後の材料開発及び電磁波吸収メカニズムの解明に重要な意味を持つことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,これらの材料の配列や含有量の変化による電磁波遮蔽周波数との関係を明確にしたい。その具体的方法として, 1)強誘電体BaTiO3ナノチューブとナノ複合化による高い磁気的特性と導電性を兼備した複合多機能ナノチューブを創成することを試みる. 2)形状記憶と形状回復機能を生かした形状設計と形状制御を行う.ナノファイバーの周期配向と含有量制御により,特定電磁波遮蔽周波数を遮蔽する構造設計を行う.
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Causes of Carryover |
コロナの影響で,購入予定の材料は年度内納品できなかったため
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