2023 Fiscal Year Research-status Report
革新的スイッチ機能ガス分離膜の創製と新規分離機構の解明
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21K04698
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
永井 一清 明治大学, 理工学部, 専任教授 (40350269)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膜分離 / 水素分離 / 二酸化炭素分離 / スイッチ機能 / 自己組織化 / ATRP / CCUS / カーボンリサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
水素社会並びカーボンリサイクルに必要な二酸化炭素・利用・貯留の実現に不可欠な二酸化炭素(CO2)と水素ガス(H2)を分離精製する。本研究は、膜にスイッチ機能を付与させることを提案し、CO2とH2の両方に適応できるガス分離膜を創製する。光の偏向フィルターは偏光板を回転させることにより特定の光を透過もしくは遮断できる。これにヒントを得て、高分子鎖をスリット状に一定間隔で配列させた層を形成させ、それを組み合わせることによりCO2分離にもH2分離にも利用できるスイッチ機能を実現させる。本研究では、ポリイミドとメタクリル酸誘導体から成るABA型ブロックコポリマーのA成分のナノ自己組織化作用を利用し、高分子鎖をスリット状に配列させる。高分子膜の従来のガス分離の原理自体を変えた材料設計を行い、100:0の完全な分離を実現させる。 本研究は3年計画であり、2023年度はその3年目である。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2021年度は1年間通して実験を停止した。本研究課題は当研究室で新たに試作した実験装置を用いる。同装置の停止期間が長く、2022年度は再稼働のためのメンテナンス等に多くの時間を割かれた。また本研究課題は高圧ガスを用いる上に連続測定が求められるため、研究室内の安全管理面の環境整備の再構築を行う必要もあり、十分に実験を進めることはできなかった。 2023年度に実験装置を再稼働することができた。そしてA成分のメタクリル酸誘導体の化学構造を変えていくつものABA型ブロックコポリマーを合成し、作製した膜に対してガス透過係数とガス分離係数を測定したが、100:0の完全な分離ではなかった。膜平面に欠陥箇所が形成されない製膜方法を検討したが研究期間終了までに完全な形の膜を得ることができなかった。そのため2025年3月31日までの1年間の研究期間の延長を申請し承認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「研究実績の概要」で述べた内容と重複するが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた研究期間の延長に加え、当研究室で新たに試作した実験装置の再稼働のためのメンテナンスや研究室内の安全管理面の環境整備の再構築等に多くの時間を割かれた。2023年度中に今までの遅れを取り戻すことができなかったことから、2025年3月31日までの1年間の研究期間の延長となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、昨年度に計画していた実験を行い、本研究を進行させる。
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Causes of Carryover |
2024年度は、昨年度に計画していた実験を行い、本研究を進行させるためである。
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