2023 Fiscal Year Research-status Report
インプロセスモニタリングデータを用いた機械学習によるオンライン非破壊検査法の開発
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21K04728
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
山田 耕太郎 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 准教授 (70378941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 浩司 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 教授 (40501169)
岡本 浩行 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 教授 (60390506)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レーザ / 溶接 / モニタリング / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
生産工程での品質管理において、加工の状態をリアルタイムにモニタリングし、その場で部品や製品の良否判定および欠陥等を検出できれば、生産効率を向上可能であるため、その場検査に関する技術が求められている。本研究では、組立生産技術として最も重要な溶接に着目し、特にレーザ溶接中に発生する熱放射光等のインプロセスモニタリングを行い、モニタリングデータと各種レーザ照射条件および加工点の状態との関係について検討を行うことを目的とした。また、レーザ溶接条件と溶接結果およびインプロセスモニタリングデータを基に、機械学習のモデル構築を行い、オンライン検査可能な非破壊検査法の開発を目指している。 本年度は、各種実験条件においてレーザ溶接を実施し、各種モニタリングデータの収集と溶接ビード外観の観察を行い、データと溶接ビードとの関連性について検討した。供試材料として、割れが発生しやすいとされるA6063アルミニウム合金を用いた。レーザには、最大出力4 kWのマルチモードファイバーレーザを用いた。レーザ溶接中に熱放射光(1300nm)等をサンプリングレート500マイクロ秒でモニタリングし、得られた熱放射光の時系列データおよびビード外観写真を取得した。 まず、各種レーザ溶接後のビード外観写真から、機械学習を用いた欠陥の検出の可能性について検討を行った。欠陥のないビード外観写真と欠陥のあるビード外観写真を予め分類し、そのうちの80%を教師データとして学習させ、20%を検証データとして用いた。なお、機械学習モデルには、Vision Transformer(ViT)を用いた。検証の結果、約95%の精度で正しく分類することに成功した。次に、熱放射光の時系列データを教師なし学習によって8つのグループに分類したところ、欠陥のないビード、割れのあるビードおよび部分溶け込み溶接に分類可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザ溶接中に熱放射光と反射光をインプロセスでモニタリングが可能となっており、モニタリング信号と溶接欠陥との関連性について検討することができている。また、種々のレーザ照射条件におけるモニタリング信号のデータを蓄積することができており、機械学習のための教師データの収集が順調に進んでいることから、当初の予定通りにおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、モニタリング信号を教師データとした機械学習のためのプログラムを作成するとともに、各種レーザ照射条件における試験片のビード外観形状と欠陥およびモニタリングデータとの紐づけを行い、欠陥検知モデルの構築に取り組む。
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Causes of Carryover |
令和5年度は研究成果を発表する機会がなかったため、旅費の使用がなかった。 ただモニタリングデータの収集と解析は進んでおり、令和6年度はさらに研究を進めた上で、研究成果発表を活発に実施する予定であり旅費などについて使用する。
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