2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of fundamental technology for controlling deformability of nickel aluminide using data science
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21K04730
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
出村 雅彦 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 統合型材料開発・情報基盤部門, 部門長 (10354177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
譯田 真人 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, 主任研究員 (00550203)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 転位反応 / 転位相互作用パラメータ / latent hardening / 金属間化合物 / 積層欠陥 / 機械学習ポテンシャル |
Outline of Annual Research Achievements |
課題(1)の転位反応の相互作用パラメータの推定に関しては、これまでの実験データを用いた仮説の検証を実施した。3つの単結晶圧延の結果に関して、変形勾配テンソルを推定する手法として、ベイズ最適化、シンプレックス法を試行し、その結果、シンプレックス法によってより大域の最適解が得られることを明らかにした。得られた変形勾配テンソルの元での解析の結果から、2つの単結晶実験においてGlissile Junction(GJ)と呼ばれる転位反応の組み合わせが同時に働きにくいことを見出し、仮説が妥当することを確認できた。3つ目の単結晶のケースでは相互反応が1もしくは1.4という状況下では最適な変形勾配テンソルが見つからず、仮説に沿ってGJを極端に大きくして、最適化を実行した。その結果、GJの相互作用を50以上にした場合に、実験結果を再現できる変形勾配テンソルを見出すことができることを明らかにした。この結果は、GJの相互作用をかなり大きくすることで、単結晶実験の結果を再現できることを意味しており、仮説が妥当することを確認する結果であると言える。さらに、本単結晶実験がGJ転位反応の相互作用を同定することができるケースであることをも意味しており、このケースをもとにして、次年度以降、相互作用を同定する手法の確立を目指すことができると考えている。
課題(2)に関しては、多成分系の積層欠陥エネルギーを求める手法を確立するために、第一原理計算の精度を有する機械学習ポテンシャルの作成に取り組んだ。今年度は2元系の結果を再現するために必要な学習データとして必要な構造のバリエーションを洗い出し、第一原理計算の学習データを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題(1)に関しては予定していたデータ同化手法とは異なる形で、問題となるGJ相互作用の大きさを同定可能な単結晶実験のケースを見出すことができ、2年度目以降に転位相互作用を同定する手法の研究へと展開できるようになっている。
課題(2)に関しても同様に2年度目以降に積層欠陥エネルギーを第一原理計算の精度で計算するための基盤となるデータを作成することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
課題(1)に関しては、1年度目に見出したGJ相互作用同定に使える単結晶ケースに関して検討を深め、仮想実験を駆使して、相互作用同定を可能とする変形勾配テンソルの考案を目指す。
課題(2)に関しては、機械学習ポテンシャル作成用の学習データの蓄積を進め、二元系に関して積層欠陥エネルギーを高精度に求めることができる手法を確立する。
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Causes of Carryover |
クラウド環境の活用を併用することで計算機のスペックを適正化したことで、全体として予定金額よりも低価格で計算環境を用意することができた。次年度使用額については、研究推進のための謝金等として使用することを計画している。
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