2023 Fiscal Year Annual Research Report
周波数変調型原子間力顕微鏡を用いたアルミニウムイオン還元時の界面構造解析
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21K04734
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上田 幹人 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00292053)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イオン液体 / アルミニウムイオン / イオン配列 / 原子間力顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、電極上における分布を調べること、また電場の有無でその分布がどのように変化するのかを調べることを目的とした。まず、AlCl3水溶液を用いて高配向性熱分解グラファイト(HOPG)上のアルミニウムイオンの吸着特性を調べた。その結果、水溶液の場合には、Alイオンよりも周辺に水和する水の作用が大きく、明確な分布を示すことが難しかった。次にAlが電析する系である、1エチル-3メチルイミダゾリウムクロライド(EmImCl)とAlCl3のイオン液体を用いてHOPG電極付近のイオンの分布を調べた。 ドライルームにおいてHOPG上に滴下し、原子間力顕微鏡(AFM)カンチレバーを液滴の中に入るように設定し、コンタクトモードでフォースカーブ(FC)測定を行った。FC測定で得られるデータは、カンチレバーのチップ先端が受ける反力の値であり、このイオン液体の場合は、EmImカチオンとAl2Cl7アニオンの斥力と考えられる。 測定では、カンチレバーの探針がそれ以上到達できない部分を、最終到達点として、そこからカンチレバーの押していた力を緩和する際の力の変化について調べた。その結果3つの段差を見出すことができた。この段差は0.3から0.5nmであり、おそらくEmImカチオンとAl2Cl7アニオンのイオンサイズに対応しているものと考えられた。 また、電場の無い場合とカソード側の電場の印加下での測定では、僅かにイオンの整列していた層の厚みに変化が生じた。これらの結果は、アルミニウムイオンが電極上で還元されるメカニズムに大きな示唆を与えるものであった。 本研究での結果で得られたイオン液体中のイオンの分布は、アニオンとカチオンが交互に整列し、バルクに向かってアニオンまたはカチオンが少しずつ混合するモデルであり、これまで報告されてきているイオン配列モデルと類似の結果となった。
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Research Products
(3 results)