2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel method for the preparation of composite catalytic nanoparticles using gas-phase particle processing
Project/Area Number |
21K04750
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 学 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (70178953)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 優 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (00633752)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | エアロゾルプロセス / CVD / 助触媒 / 粒子被覆 / 噴霧乾燥 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、単一物質の触媒に比べて性能の向上、用途の拡大、長寿命化などのメリットが期待できる、微量の異物質を付着させた触媒粒子(複合触媒粒子)に対して、エアロゾルのプロセスを利用した粒子合成や微量物質の付着を気相中で精密に行う作製手法を開発する。さらに作製した粒子の触媒活性を評価し、物質の付着状態などの粒子性状との関係を調べることで、本手法の有用性を確認するとともに望ましい複合触媒粒子の性状を見出す。本年度の研究成果の概要は、以下のとおりである。 1.現有のプラズマCVD粒子発生装置および粒子原料供給系に対する改造を施した。また、金属・金属酸化物のナノ粒子を発生できる蒸発凝縮型粒子発生装置を製作した。さらに、触媒粒子の水系分散液を噴霧・乾燥することでガス中分散した触媒粒子を得られる噴霧乾燥粒子分散装置も設計製作した。以上の装置でそれぞれガス中に粒子を発生させ、複合触媒粒子の作製に適する粒子発生が行える条件を探索した。ここで、発生させた粒子の捕集・顕微鏡観察、またはエアロゾル計測装置への導入によって、粒子径分布や粒子形態を求めた。また粒子の結晶相およびその焼成による変化も評価した。 2.2種の粒子を気中混合・凝集させるための流路・容器を、粒子の輸送特性と凝集速度の見積もりから設計して製作した。粒子の混合・凝集状態を評価するために、2種のエアロゾルを混ぜて得られた粒子を容器中で基板上に堆積させたうえで顕微鏡観察した。 3.複合触媒粒子となり得る組み合わせの粒子として、プラズマCVD粒子発生装置で得たチタニアナノ粒子と蒸発凝縮型粒子発生装置で得られた銀ナノ粒子を用い、これらの気中混合・凝集により作製した複合粒子の物理的性状、組成、光吸収特性を電子顕微鏡、X線回折、ならびに各種分光分析などで計測評価した。また、光照射下における光触媒性能の評価試験を行い、複合化による性能の向上を確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画における重要な点は、触媒粒子と付着物質の粒子の気相合成と合体による複合触媒粒子の作製を検討するために、異なる原理に基づく複数の粒子発生装置の構築、粒子の混合凝集、粒子の性状評価、および触媒粒子としての性能の予備的検討を行うことであった。これらの点について、次年度以降の検討の観点から満足行く結果が得られたため、進展は順調と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
基本的に、当初の研究計画に沿って遂行することとする。すなわち、本年度実施した異種粒子混合による複合触媒粒子の作製を継続するとともに、既製の触媒粒子を用いた複合触媒粒子の作製、触媒粒子表面での異種物質析出による複合触媒粒子の作製も行い、粒子の性状と性能の関係を調べ明らかにしていきたい。
|
Causes of Carryover |
主な理由としては、蒸発凝縮型粒子発生装置による金属・金属酸化物のナノ粒子の発生に対して、操作条件の探索・選択に相当な試行を費やすことを予定していたが、これが想定以下で済んだことによる。この額は、次年度の複合触媒粒子の作製実験の機会を増やすことに充てることとする。
|
Research Products
(13 results)