2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel technque to prepare capsules from acoustically levitated liquid droplets
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21K04753
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
武井 孝行 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (90468059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 昌弘 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (50315397)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カプセル / 音波 / 浮揚 / 気相 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、カプセル内にあらゆる有用物質を高含有させることができ、かつ、そのカプセルに意図した機能を付与できる、極めて汎用性の高いカプセル調製法の確立を目指す。初年度は、様々な液滴固化法を利用してカプセルを作製し、親水性物質や疎水性物質さらにそれらの中間の性質を有するイオン液体などを超高効率(> 99%)でカプセル中に内包でき、さらにそれらをカプセルに高含有(含有率:> 70%)させることが可能であることを実証することを目的とした。 液滴浮揚装置として市販キットを使用した。そのキットは数十個の超音波振動子からなり、その振動子からの音響定在波により液滴を安定的に空中に浮揚できる。まず、親水性カプセル壁材としてゼラチンを選択した。ゼラチン水溶液に親水性タンパク質を溶解し、その水溶液の液滴を空中に浮揚させた状態で冷却することで液滴をゲル化させゲルカプセルを作製した。そのカプセル内部のタンパク質を定量することで、親水性タンパク質を高効率(> 99%)で包括できることを示した。また、疎水性カプセル壁材としてトリメチロールプロパントリメタクリレートを選択し、ラジカル重合により疎水性物質であるテトラデカンを包括したところ、こちらも99%以上の効率で包括でき、それゆえテトラデカンの含有率が70%以上のカプセルを容易に作製できることを示した。また、同じカプセル内にイオン液体である1-Butyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethane sulfonyl)amideを高効率(> 99%)で包括でき、かつ高含有化も可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究内容を全て完了できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は予定どおり以下の検討を行う。 カプセルの有用物質含有量が増加するほど、相対的にカプセル壁材量が減少し、カプセルの強度が低下してしまう。有用物質がカプセルの中央部に配置された単核型(中空)カプセルは、他の構造のカプセルと比べて、有用物質含有量の増加にともなったカプセルの強度低下を最小限に抑えることができる。そこで、単核型カプセル調製のための指針を確立する。なお、液相中において単核型カプセルを作製する際には拡張係数がその指標として利用されている。その液相中でのカプセル調製時には、撹拌が必要であるため、そのせん断によって液滴は高速回転し、それにより液滴内部で発生する遠心力が重力や浮力の影響を打ち消しているが、リキッドマーブルを静置したまま固化させる場合には重力や浮力の影響を無視できない。そこで、上記の拡張係数を基に、それらの力を考慮したモデル式を作成する。なお、モデル式の作成が困難を極める場合には、液滴を転がしながらカプセルを作製することで、すでに報告されている液相系でのモデル式が適用できるようにする。
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