2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel technque to prepare capsules from acoustically levitated liquid droplets
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21K04753
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
武井 孝行 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (90468059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 昌弘 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (50315397)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カプセル / 音響 / 浮揚 / 気相 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、カプセル内にあらゆる有用物質を高含有させることができ、かつ、そのカプセルに意図した機能を付与できる、極めて汎用性の高いカプセル調製法の確立を目指している。それを達成するために、音響浮揚技術を採用している。初年度は、同技術を利用することで、様々な有価物質を超高効率でカプセル内に包括可能であることを示した。そこで2年目は単核型カプセル調製のための指針を確立することを目指した。 一般的なカプセル調製場である液中でカプセルを作製する場合、拡張係数を用いた界面熱力学構造制御法が広く採用されている。気相中でカプセルを作製する場合においても、理論上、その制御法を適用できると考えられるため、その制御法を適用した。まず最初に、従来の界面熱力学構造制御法では、界面自由エネルギーの算出時に表面/界面張力のみ考慮しており、界面積を考慮していない。そこで界面積を考慮したモデルを提案し、その有効性を示した。次に、そのモデルを利用して理論上、単核型カプセルになるカプセル壁材と内包する有価物質の組み合わせにおいて、カプセルを作製したところ、有価物質がカプセルの外に排出されてしまい、単核型カプセルを作製することができなかった。その原因を詳細に調査したところ、音響浮揚により液滴内部に発生する音響流れが原因の一つであることが判明した。また、液滴の固化中にカプセル壁材の表面張力が変化し、それも構造制御時に考慮する必要があることが判明した。その変化を考慮することで、一定の割合で単核型カプセルを調製できることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究内容を概ね遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度完了できなかった単核カプセル調製理論の確立と、申請書に記載した3年目の検討(カプセル連続生産法の確立)を行う。 単核カプセル調製理論の確立に関する検討では、本年度見出した知見をもとに、より詳細な検討を行う。具体的には、液滴固化時にカプセル壁材の表面張力が変化するため、界面熱力学モデルから予想される内部構造にならないことを本年度見出している。そこで、液滴固化前後において界面自由エネルギー的に十分に単核構造となるカプセル壁材液と有価物質液の組み合わせでカプセルを調製する。 カプセル連続生産法の確立に関する検討では、複数台の音波発生器、振動板および反射板からなる“連続的に液滴が移動する装置”を作製し、その移動中に液滴を固化させることで、カプセルの連続生産を達成する。
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