2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a fast and continuous gas-liquid process by controlling of mass transfer and reaction rate
Project/Area Number |
21K04761
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤井 達也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50711800)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 極性スイッチ / マイクロ混合 / 二酸化炭素 / 吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、二酸化炭素の反応吸収・脱離をトリガーとした溶媒の極性スイッチ(非極性と極性の可逆的変換)が注目され、バイオマスの多成分抽出等への応用が期待されている。しかし、従来のプロセスは主にバッチで、高処理量化が課題であり、高速・連続化が求められる。そこで、本研究は、気液反応を伴う極性スイッチの連続化へ向け、プロセスの高速化を目的とした。そのために、マイクロ混合による界面積増大に伴う物質移動の促進と、溶媒選択による反応性制御を組み合わせてアプローチする。これにより、極性スイッチという気液二相プロセスの連続化へ向けた技術基盤を構築を目指して研究を実施している。 本年度は、マイクロ混合による二酸化炭素吸収の高速化について、原理確認を行うために、二酸化炭素の吸収に適した溶媒の選定を行った。また、マイクロ混合による実験を行うために、フローマイクロリアクター内の流動状態を考慮したプロセス設計計算を行い、混合状態が適切と思われる流動状態(乱流条件)となるような条件を実現するための条件を検討した。その条件検討結果に合わせて、新規にフローリアクター装置を設計し、必要な部材を整え、装置の開発に取り組んだ。 今後は本装置を完成させ、マイクロ混合による反応吸収が促進される効果の原理確認を行うとともに、吸収速度とプロセスパラメータの関係を明らかにする。また、流動状態を高速度カメラ等で観測し、流動状態と吸収速度の関係を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画においては、1年目の後半にかけて実験装置・分析環境を整えて、2年目前半にかけて実験データの収集を行う計画としていたが、溶媒の選定、実験機器・プロセス条件設計等に時間を要し、現在、実験装置の作製に取り組んでいるものの、実験データの収集に至っていないのが現状である。以上から、研究実施計画に対してはやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に沿って、引き続き、実験装置を完成させ、分析環境を整えるとともに、実験データの収集を行い、マイクロ混合による二酸化炭素吸収の高速化の原理確認を行うとともに、気液流量や、マイクロ混合デバイスの種類、混合後配管の内径、混合後の滞留時間等の中からパラメータを選択し、条件依存性を調べる。これにより、界面積とスイッチ速度の関係と、良好な混合条件を明らかにする。また、滞留時間依存性から、連続プロセスの設計に必要な情報として、スイッチ速度を明らかにする。 さらに研究実施計画に沿って、溶媒が吸収速度に及ぼす影響や、二酸化炭素を脱離するプロセスの高速化についても検討を行う。これらを順次進めることにより、最終的には、連続プロセスにより連続的に極性スイッチができるようなプロセスの開発を目指す。
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Causes of Carryover |
実験開始が後ろ倒しになった分、消耗品等の支出が後ろ倒しとなったため。次年度以降は実験が開始するため消耗品等の使用が本格的となるためその分を支出する計画である。 また、調達を予定していた紫外可視分光光度計については、当面、研究グループ所有のもので代用可能であることが分かったため、想定より減額となった。その分については、新規ポンプ等を導入することにより、実験条件(流量等)の幅の拡張や、実験の加速等を検討する。
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