2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of low-temperature high-activity nanocatalyst with periodic aggregation using a non-equilibrium process
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21K04763
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
成 基明 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (30747259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 衛太 東北大学, 工学研究科, 助教 (20780430)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | mesocrystal / CeO2 / doping / substitution / periodic / nano / catalyst |
Outline of Annual Research Achievements |
グリーンハウスガスを低減しながらも産業を維持するためには、低温で運転できる活性の高い触媒が必須不可欠である。世界的な地球温暖化現象に対応するために、これらの触媒の開発は非常に緊急である。CeO2ベースの触媒は、その酸化還元能力が非常に優れており、様々な分野で触媒として使用されている。CeO2サイズのナノ化、特定面の制御、金属置換などを通すと、その性能が非常に向上される。 本研究では、活性の高いナノ触媒の開発および使用において非常に重要な要素である熱的安定性について、周期構造形成の有無による違いを綿密に分析し、触媒活性に及ぼす影響について研究している。まず、流通式連続反応器を用いて超臨界水熱合成条件でCrを置換したCr-CeO2を合成した。Crの濃度が上がるにつれて、チャージバランスと酸素欠損によって高い格子歪が起こった。同時に、これらの不安定性を相殺するために粒子の特異なアグロメレーション現象が起こった。系の安定性のために周期構造を有するメソクリスタルを形成することになった。 このメソクリスタルの熱安定性による活性の変化を調べるために、500度の高温条件で長時間露出して酸素-水素のサイクルによる酸化還元能力を評価した。結果、比較群である同じサイズの多結晶粒子や面制御されたCeO2などと比較したとき活性の減少が遅くて少なかった。したがって、メソクリスタルを形成するナノ粒子が分散した多結晶ナノ粒子よりも明らかに活性が大きいし、比較的安定でもあることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、メソクリスタルナノ粒子の形成に成功し、再現性を確保した。 どの条件で確実にメソクリスタルが形成されるかを確認した。次に、メソクリスタルナノ粒子の一次粒径(3nm)と同様の比較群のナノ粒子合成にも成功し、比較実験が可能な状態となった。これは非常に困難な条件の1つであるため、比較群合成の成功可否はこの実験に非常に大きな影響を及ぼすので、この研究は順調に進行中であると言える。 また、熱安定性評価のために、酸化還元装置を構築し、試験実験を終えたので、次の段階への準備が整えたと判断している。したがって、本年度分はおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、化学的、熱的安定性評価を行い、比較群と比較分析する。予想通り、メソクリスタルナノ粒子が高活性であるにもかかわらず、失活は比較的少ないであろう。この現象を理論的に支持するために分子シミュレーションを実施する。まず、分子シミュレーションに必要な構造を設計する。一次粒子を3nm程度にとり、粒子同士のアグロメレーション現象についてシミュレーションする。この作業は非常に困難で時間がかかるため、中間ステップを設定した。粒子が高熱の条件によりマイグレーションされる程度を評価して熱的安定性を比較分析する。このための高性能workstation1台は購入済みであり、スーパーコンピュータの活用も検討中である。
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