2022 Fiscal Year Research-status Report
紫外光・可視光を反応に、赤外光を物質移動に活用する光触媒二酸化炭素改質反応器開発
Project/Area Number |
21K04769
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
西村 顕 三重大学, 工学研究科, 准教授 (60345999)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光触媒 / CO2改質 / 黒体材料 / 物質移動促進 / 反応促進 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゾルゲル・ディップコーティング法を用いてP4O10担持光触媒を作製し,SEM,EPMAにより表面性状分析を行った.また,NH3、H2OとCO2のモル比をそれぞれ変更した場合のCO2改質性能評価を行った.さらに光触媒下部に黒体スプレーでCu円板に噴霧して作製した黒体材料を配置し,赤外光吸収を利用した輻射熱で光触媒近傍に自然対流を生じさせて物質移動促進によるCO2改質性能向上を図ることとし,その効果を検証した.得られた知見を以下にまとめる. CO2/H2O系とCO2/NH3系のそれぞれの反応系で紫外光を含む広波長域(UV)条件,CO2/NH3系で広波長域からシャープカットフィルターを用いて紫外光をカットした可視光域以上の照射(VIS)条件,さらに可視光域光をカットした赤外光域光照射(IR)条件において,CO2:H2Oのモル比を変化させ,黒体材料無しと有りで検証した. その結果,UV,VIS,IR共にCO2改質による生成燃料としてCOが得られ,その最高生成濃度はいずれも黒体有り,CO2:NH3=3:2のモル比条件で得られた.これは,CO2/NH3系の反応スキームより得られたCO生成の理論モル比3:2と一致し,VIS,IR条件下でCOが生成されたことから,本研究で作製したP4O10担持TiO2光触媒が可視光および赤外光に対する応答性を有することが確認できた.また,CO2:NH3=3:2のCO最高生成濃度で比較すると,黒体材料有りの方が黒体材料無しよりもUVでは51 ppmV,VISでは19 ppmV,IRでは13 ppmV増加した. CO2/NH3系においてCO最高生成濃度でのリアクター内の温度上昇を比較した場合,UVでは3.8 ℃~6.2 ℃,VISでは1.0 ℃~2.9 ℃,IRでは2.0 ℃~3.1 ℃増加した.以上より,黒体材料設置によってCO2改質性能は向上したと言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した赤外光を反応と物質移動促進に利用することで光触媒のCO2還元性能を向上させるという研究課題が実現に至っており,今後はその性能向上のステージに移動する予定なので.
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Strategy for Future Research Activity |
黒体材料の種類を種々変更し,赤外光吸収特性向上を図る.さらには,反応器内温度分布および物質移動現象のメカニズムを解明し,さらなるCO2改質性能向上を目指す.
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Research Products
(9 results)