2023 Fiscal Year Annual Research Report
液液スラグフローリアクターによる微粒子およびゲルカプセル連続製造プロセスの開発
Project/Area Number |
21K04771
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤岡 沙都子 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (50571361)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 液液スラグ流 / フローリアクター / 微粒子 / ゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では互いに不溶な2つの液体が交互に流れる液液スラグ流のリアクターとしての利用を目指し、(1)液スラグの形状予測および制御手法の確立、(2)液スラグ内部循環流の混合効果を利用した微粒子製造ならびに粒径制御手法の確立、(3)微細気泡含有ゲルカプセル連続生成法の提案、を目的とした。粘度や液液界面張力など2液体の物性が液スラグの形状に及ぼす影響を実験的に明らかにし、操作条件と物性からスラグ長さや界面形状を予測する無次元相関式を提案した。この結果をもとに操作条件の調整により様々なサイズのスラグを生成し、PIV解析によりスラグ内部循環流の特徴を明らかにし、混合促進と滞留時間分布均一化について考察した。また、ゾルゲル法によるシリカ微粒子生成をモデル反応系に採用し、分散相流体には反応液、分散相を取り囲む連続相流体には不活性流体を用いてスラグ流を形成させ、内部循環流制御による粒径分布制御の可能性を示した。さらに、分散相スラグを微粒子生成の反応場として利用するだけではなく、スラグ流の形状制御性を活かして分散相スラグ自体が製品となるようなゲルビーズ連続製造を行った。ゲル化反応に関与しないドデカンを連続相として流し、分散相とするアルギン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液は2回に分けて連続相に合流させたところ、円管内でのゲル化反応の進行によりアルギン酸ナトリウムゲルビーズの連続製造が可能であった。一方、分散相が2段階で注入されることによる複雑性を排除するため、ドデカンにゼラチン水溶液を合流させて液液スラグ流とし、冷却によりゲル化を進行させ、ゼラチンゲルビーズの連続製造に成功した。操作条件により制御されたゾルスラグの体積が保たれたままゲル化が進行し、均一なサイズのゲルビーズを得ることができたが、微細気泡をはじめとする物質の添加や一様分散については今後の課題である。
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