2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of new boron-drugs and models for BNCT targeting malignant cells.
Project/Area Number |
21K04790
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
笠井 智成 岡山大学, 中性子医療研究センター, 准教授 (30530191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 良章 岡山大学, 保健管理センター, 教授 (00314667)
杉山 友康 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (30367198)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / ホウ素中性子捕捉療法 / 動物モデル / 人工多能性幹細胞 / ホウ素薬剤 / 悪性がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究代表者らが開発した方法で正常なiPS細胞からがん幹細胞(CSCs)モデルを作製した。すなわち、乳がん由来細胞株を培養した培養上清からコンディションドメディウム(CM:Conditioned Medium)を調製し、iPS細胞用の培地にCMを添加してiPS細胞を培養することで、がん細胞への誘導を行い、誘導後の細胞を免疫不全マウスに同所移植を行うことで、腫瘤を形成させた。腫瘍組織から切片を作製して、HE染色を行った。病理学診断によって、臨床像に近く悪性度が非常に高い特徴を示していることを確認した。さらに、この腫瘍組織から細胞を分離して初代培養を行い、乳がんCSCsモデル細胞の集団を作製した。また、C57BL6マウスの肝組織から肝前駆細胞オルガノイドを作製する過程でヒト肝臓癌由来細胞株を用いて調製したCMを添加することで、肝がん前駆細胞オルガノイドを作製した。肝がん前駆細胞オルガノイドのコロニーは正常な肝前駆細胞オルガノイドと比較して、分化した細胞が多く存在すること、コロニー形状がいびつになる様子が観察された。作製した肝がんオルガノイドをC57BL6マウスに同所移植することで、マウスの免疫を維持したCSCs担癌モデルを作製する。 作製したCSCsモデル細胞の遺伝子発現解析を進めている。分化の程度が異なるCSCsの集団も作製し、その段階で維持する方法について検討を進めている。また、ホウ素薬剤の細胞内取り込み量を測定する目的で、薬剤添加方法とサンプル調製方法の検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデル細胞作製および、その細胞を安定して維持するための培養法の検討に計画よりも時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
分化の程度が異なるCSCs集団を維持する方法を確立する。作製したCSCsモデル細胞それぞれについて、遺伝子発現解析、エピジェネティック解析、ホウ素取込量測定を行い、機械学習に必要なデータセットを揃え、現在進めているフォーマット形式や抽出方法にさらに検討を加えて精度の向上を目指す。
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Causes of Carryover |
モデル細胞の作製に時間を要し、免疫不全マウスの使用数が計画時よりも下回ったため、また、モデル細胞作製後に使用する培養用試薬や分子生物学解析用試薬等の使用計画にも遅れが生じたためであるが、免疫不全マウスは次年度分に併せて使用する。試薬等についても次年度に購入する手配を行った。
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Research Products
(13 results)