2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of oxygen-supplying method for ultra-high density cell culture
Project/Area Number |
21K04800
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
長森 英二 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70394898)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バイオリアクター / 動物細胞 / 高密度培養 / 酸素供給 / kLa / 培地分析 / 灌流培養 / 酸素運搬体 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物細胞浮遊培養を用いた物質生産において、医薬等の最終製品をより低コストに製造するには、最終到達濃度(現状10^7 cells/mLレベル)の一層の高濃度化が有効であるものの、高濃度細胞培養時に、酸素を不足なく供給する技術はボトルネックとなっている。動物細胞は通気撹拌によるシェアに脆弱であることに加え、蛋白質濃度が高い動物細胞培地は泡立ちが激しく、通気速度には限界がある(経験的に0.05 VVM程度)。培養溶液中への酸素供給速度v (mg/L hr)はv = kLa(C*-C) 、ここでC*は飽和溶存酸素濃度(mg/L),Cは液中溶存酸素濃度,kLは液側の酸素移動容量係数(m/hr),aは単位液容積あたりの気液接触面積(m2/m3)、にて表され、本研究ではC*を高めるアプローチとして人工酸素運搬体、aを発泡抑制しつつ維持可能な素材の活用について検討していく。 初年度は、スケールダウン系の構築・探索を進め、大型の培養槽(kLa=10-15h^-1程度)で発生する酸素律速を再現できる小型培養槽に目処をつけた。2年目は超高密度培養(10^8 cells/mL)に向け溶存酸素と同様に問題となる培地環境の解析・改善に向け実験室レベルで簡便に使用可能な灌流モジュールを試作した。市販培地による灌流培養ではアミノ酸などの枯渇が顕著で超高密度培養には培地成分の改善も必要である(再生医療学会で発表)。今年度は浮遊培養以上に超高密度な培養(10^9 cells/mL)が必要とされる組織培養において、HIF1プロモーター下流でGFPを駆動する株を活用し積層細胞シート内の酸素濃度を定量する系の実証を行った(再生医療学会で発表)。今後、酸素運搬体サンプルを用いた検証に進む計画である。
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Research Products
(3 results)