2021 Fiscal Year Research-status Report
Supramolecular chemistry of molecular metal clusters
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21K04805
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石田 洋平 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00726713)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | クラスター / ナノ粒子 / 超分子化学 / 静電相互作用 / 配位結合 / 光反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者は近年、表面に塩基性・カチオン性置換基を有する原子精度で精密な金クラスター化合物の合成に世界で初めて成功しており、本研究では、原子精度で精密な分子性金属クラスター化合物の表面の化学反応場としての利用可能性に着目した。本年度は主に新規なクラスター材料の合成とその表面における配位子の選択的化学反応手法の確立を行った。4-pyridineethanethiol(4-PyET)を用いAu25クラスターを合成し、エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS、Negative-mode)測定から単一の目的物の合成を確認した。次に、合成したクラスター表面のメンシュトキン反応により表面のカチオン電荷数の段階的制御を試みた。例えばメチルトリフラート(TfOMe)を利用することで、吸収スペクトル測定の結果、クラスターの吸収波長に変化が見られた。興味深い事に、これらの吸収変化はクラスターをプロトン化した時にも観測された。よってこれらの吸収変化は、Au25クラスター表面に正電荷が配置され、クラスター構造が歪んだことによるものであると考えられる。ESI-MS測定の結果、PF6-数に対応して3種類の電荷状態のAu25クラスターが観測された。観測されたすべてのピークは計算から得たアイソトープパターンと一致した。複数回の反応を重ねる度にカチオン化されたサイトの数は増加し、その平均数を計算すると最終的には18個中17.3個(95.9%)の配位子が反応されたことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の通り、新規なクラスター化合物の合成とその表面における化学反応の制御に成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、カチオン性表面を利用したゲスト分子の配置による集合体構造制御を行う。
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Causes of Carryover |
次年度に設備の購入を予定しているため。
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Research Products
(9 results)