2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K04818
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高村 陽太 東京工業大学, 工学院, 助教 (20708482)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | スピントロニクス / 超伝導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年度となる今年度は,超伝導体Nbとハーフメタル強磁性体であるCo2FeAlSiのヘテロ接合を作製し,その接合構造を評価するとともに,電子ビーム露光技術を用いてナノコンタクト接合を作製した. まず,接合構造は,X線回折法と断面透過型電子顕微鏡による解析により,Co2FeSiAlがハーフメタルと期待される完全に規則化したL21構造を有していることを確認し,また,Co2FeSiAl/Nb界面が非常に平坦であることを明らかにした.Nb層はグレインサイズが20 nm程度の多結晶体であったが,これは測定の妨げにならないことを確認した.以上より,アンドレーフ反射測定は可能と判断し,デバイス試作のフェーズに移った. ナノコンタクト接合を作製するプロセスとして,直径100 nm程度の円柱を作製するために電子ビームリソグラフィを導入した.さらに,ナノピラーの上部に寄生抵抗を極力減らした状態で電気的コンタクトを取るため,コンタクトホールの形成の代わりにBCBの頭出しプロセスを採用した.プロセス設計段階から東工大ARIMの技術相談を利用した.BCB塗布条件とRIEのエッチング条件を最適化させる実験を行った.年度末頃にはデバイス試作の第一弾が完成した. 完成したデバイスは,液体ヘリウムに液浸させ,4.2 Kの極静環境で微分抵抗の電圧依存性の測定を実施した.残念ながら当該年度中には明瞭なスピン信号は得られなかった.次年度はデバイスが設計通り出来ているかなどを確認したり,シグナルが出やすい非磁性体と超伝導体のナノコンタクトを作製するなどの対応が必要だと思われる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デバイスプロセスが最後まで通せたから.
|
Strategy for Future Research Activity |
デバイスが設計通りできているか確認するために何回か試作し,その後評価を行い,超伝導-スピン界面で生じる現象を観測する.
|
Research Products
(3 results)