2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K04818
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高村 陽太 東京工業大学, 工学院, 助教 (20708482)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超伝導スピントロニクス / ハーフメタル強磁性体 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる今年度は、昨年度末に完成した超伝導体Nb薄膜とハーフメタル強磁性体であるフルホイスラー合金Co2FeAlSi薄膜のナノへテロコンタクト接合の詳細な測定を行うとともにその改良デバイスを作製しし、スピン信号の検出を試みた。 具体的には、昨年度末に実施したデバイスの追加測定及び解析を行い、信号が得られなかった原因を考察した。デバイス構造やプロセスにフィードバックをかけ、パッシベーション膜としてとして利用しているBCB(ベンゾシクロブテン)のエッチバックプロセスに課題があることがわかった。成膜やエッチングにおいて誤差を考慮したプロセス条件の決定フローを開発し、誤差を考慮しても所望のデバイス構造が得られるプロセス条件が存在することを明らかにした。 また、寄生抵抗を極力減らすようにデバイスの平面構造を見直し、擬似的な4端子法を適用できるようにした。さらに、測定系も改良、低ノイズで高感度な測定が可能なロックインアンプを使用した検出方法を導入した。ディッピング法で多数のデバイスを測定した。残念ながらスピン信号の検出にはいたらなかった。 研究期間は終了を迎えるが、本研究課題で今後の研究の礎となるナノコンタクト接合の作製技術や高感度計測技術を得ることができた。本研究課題は継続し、フルホイスラー合金の結晶の規則度とスピン分極率の関係について明らかにし、次世代の超伝導スピントロニクスデバイスの開発に貢献する成果を上げる。 また、本研究課題に関連して米国MITのグループと国際共同研究の論文発表を行った。
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