2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規電気化学プロセス―ワイヤレス電解剥離法―による二次元材料の創出と構造制御
Project/Area Number |
21K04835
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
橋本 英樹 工学院大学, 先進工学部, 准教授 (60579556)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グラファイト / グラフェン / バイポーラ電気化学 / マイクロリアクター / 電解液 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,バイポーラ電気化学,アノード酸化,インターカレーション反応を組合せて独自に開発した,“ワイヤレス電解剥離法”にマイクロリアクターの概念を取り入れ,微細なグラファイトを一括で大量に電解処理し,グラフェンを合成しその構造を制御する手法を提案する。将来的にはこの手法を様々な層状化合物に適用し,二次元材料のユニバーサルな合成手法へと展開することを考えている。具体的には,ワイヤレス電解剥離法を基盤として,マイクロ流路内で電気化学反応を制御することで,グラファイト粉末の高効率剥離法を確立する。①バッチ式電解装置,②フロー型電解装置,③直接通電の大きく3つの研究実施項目を設定しており,3年目はそれぞれの項目について以下の成果が得られた。 ①バッチ式電解装置:2年目において当初の計画を達成した。 ②フロー型電解装置:外部電極間距離はワイヤレス試料近傍に生じる電圧・電流を制御可能な重要因子であり,距離が短いほど高い電圧・電流が生じる。そのため,フロー型電解装置において外部電極間距離を段階的に短縮することを検討した。2年目に設計したミリメートルスケール流路に電解液を流通させ電解実験を実施した結果,電圧に応じた電流をえることができた。 ③直接通電:2年目に見出した硫酸電解液を用いた膨張・還元反応の制御によって,剥離物の酸化度を変化させることができることを見出した。更に,剥離物に対して触媒能を有する物質を複合化し,触媒機能を評価した結果,触媒担体として優れた性能を示すことを見出した。 研究期間全体を通じて,冒頭に示した3つの研究実施項目を計画的に進めることができた。①では剥離物の構造に及ぼす電解因子の影響を明らかにすることができ,②ではミリメートルスケールの反応流路を開発することができ,③では,剥離物の酸化度の制御と触媒担体としての応用を達成した。
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Research Products
(3 results)