2021 Fiscal Year Research-status Report
Interface engineering for high performance carbon nanotube thermoelectric materials
Project/Area Number |
21K04842
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
周 英 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (80738071)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 健郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究チーム長 (50392676)
張 民芳 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (60518330)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 熱電材料 / カーボンナノチューブ |
Outline of Annual Research Achievements |
カーボンナノチューブ(CNT)を用いた熱電変換素子は低コスト、柔軟性に富んだゼロエミッションのエネルギーハーベストとして注目されている。本研究では、CNT同士の接合界面に着目し、CNTの化学修飾・分散成膜・評価技術を駆使し、CNT同士の接合界面における電荷移動とフォノン熱伝導を高度に制御することにより、CNTの熱電性能を飛躍的に向上する技術を開発する。具体的には、(1)CNTの化学修飾により化学的に安定なN型CNTの作製技術を開発することで、(2)CNT同士の接合界面を分子レベルで制御し、電荷移動とフォノン熱伝導との相関と熱起電力のメカニズムを解明しながら、(3)効率的にエネルギー変換と輸送を行うCNT同士の接合界面を構築する。これらにより、熱電性能を飛躍的に向上したCNT熱電変換材料を実現する。 今年度は、電子供与性を示すアミノ基をもつ化合物を用いて、化学修飾によりCNTの官能基化を行い、化学的に安定なN型CNTの熱電変換材料を開発した。また、官能基構造にダメージを与えないCNTの分散方法を開発し、CNT成膜した。異なる官能基を持つCNT膜を効率よく混合する技術を開発し、CNT同士の接合界面を精密に制御することにより、ゼーベック係数などの熱電性能の飛躍的な向上を実現した。現在、メカニズム解明に向けて熱拡散率などの熱電性能やキャリア密度などを精密に評価し、ナノスケールの構造・電流・熱流の可視化評価法によりこの現象を解明してしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度目標としていた、化学修飾による安定的なN型CNT熱電材料の開発に成功し、さらに界面制御により、熱電性能の大幅な向上に成功したため、目標に到達したといえる。コロナウイルスの影響により、出勤制限や評価装置の納入が遅くなったため、一部のメカニズムの解明の評価実験が遅れていたが、次年度上期に論文投稿を予定している。 以上の事由により、おおむね順調に進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画が概ねに順調に進展しているので、計画書通りに今後の研究を推進していく。 今後は、熱電性能を評価し、XPS・SEM・TEMによる表面構造観察結果と合わせる。独自で開発した高分解能のSEM-EDX法とロックイン赤外線発熱解析法を用い、熱電性能と接合界面構造の相関を解明し、温度差によるCNT膜中の熱流と電流の分布を考察し、ゼーベック効果の向上のメカニズムを解明する。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルスのため、評価装置の納期が遅れており、次年度に購入することにしている。実験の遅れにより、研究成果の発信のための学会参加も次年度に予定している。
|