2021 Fiscal Year Research-status Report
High-sensitive correlative cathodoluminescence and electron microscopy for biological imaging
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21K04847
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
古川 太一 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教 (70749043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 昭二 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (00314047)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カソードルミネッセンス / 希土類蛍光体 / STEM / バイオイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
高感度STEM-CLイメージングのための大立体角放物面ミラーを有するCLミラーユニット、透過電子検出系、CL検出系の設計と作製を行い、走査型電子顕微鏡に組み込んだ。作製したCLミラーユニットは、放物面ミラーを使用するときのみ所望の位置に挿入できる機構になっており、ミラーの位置や角度を微調整可能な機構にした。透過電子検出については、電子線検出用のSiフォトダイオードを用いた。検出器からの信号はアンプにより信号の増幅とI-V変換を行うことで透過電子線の検出を行えるようにした。また、CLの検出器は光電子増倍管を用い、フォトンカウンティングによる検出を行えるようにした。 作製したSTEM-CLイメージングシステムと市販のSEM-CLイメージング装置を用いて、合成したY2O3:Euナノ蛍光体の電子線イメージング及びCLイメージングを行った。作製した高感度STEM-CLイメージングシステムのSTEM像は、SEM像と比較して高いコントラストで細胞構造を可視化できること、CL像は市販のCLミラーユニットと比較して約5倍のS/B比でCLイメージングが可能なことを示した。 STEM-CLイメージングのための蛍光体の開発としては、Y2O3:Eu蛍光体よりも小さい粒径と高い発光効率を有するNaYF4:EuやNaGdF4:Euなどのフッ化物をベースとするナノ蛍光体を熱分解法で合成し、直径数十nm程度の単分散した蛍光体を得ることに成功した。また、単分散した粒子のSTEMイメージング-CLイメージングに成功した。さらに、それらのナノ蛍光体の親水化を行い、細胞イメージングに適用できるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大立体角を持つCLミラーユニット、STEM像検出系、CL検出系などの構築などの装置の構築を行い、粒径100 nm以下のナノ蛍光体のSTEMイメージングとCLイメージングを達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
親水化した直径数十nmのNaYF4:EuやNaGdF4:Euなどのフッ化物をベースとするナノ蛍光体を細胞内にエンドサイトーシスにより導入し、細胞構造とナノ蛍光体の分布の同時イメージングを行う。その後、親水化ナノ蛍光体に抗体を付与し、抗原抗体反応により、細胞内の特定の構造を染色してSTEM-CLイメージングを行う。並行して、ナノ蛍光体の電子線照射耐性の向上や高輝度化にも取り組む。
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Causes of Carryover |
放物面ミラーユニットの作製について、外注する予定だったものを内製して計画よりも予算が安く済んだために次年度へ予算を繰り越した。次年度では、この予算を蛍光体の作製に必要な試薬類の購入、検出光学系の改良に用いる予定である。
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