2021 Fiscal Year Research-status Report
超高感度ユビキタス検査技術による未病とバイオマーカーの相関解明
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21K04854
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠間 敏博 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00564717)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 未病 / ユビキタス検査 / バイオマーカー / 遠隔医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、感染初期のウイルス性呼吸器感染症患者の唾液に含まれるウイルス由来タンパク質の量や、超早期がん患者の血液中に含まれるがん細胞由来マイクロRNAの量など、自覚症状がない未病患者の臨床検体に極めて希薄な濃度で含まれる疾病関連生体分子(バイオマーカー)に関する情報を明らかにするデバイスの開発である。 2021年度の目標としていたデバイス作製技術確立を計画通り完了した。流路形状、捕捉抗体固定化の条件、非特異吸着防止のためのブロッキング条件、定量分析法などに関する検討を行った。 臨床の現場で炎症マーカーとして広く利用されているC反応性タンパク質(CRP)を市販のCRPフリーヒト血清にスパイクし、分析したところ、市販のELISAキット程度の高感度検出はすでに達成できた。 酵素反応を利用するため、高感度化には温度管理や酵素基質反応時間の管理が極めて重要である。現在はこれらの条件を変えながら、緩衝液中のバイオマーカーの定量分析の高感度化を進行中である。 また、臨床検体に一般的に多く含まれている夾雑物の影響も今後検討していく予定である。血球分離後わずかに赤血球が残っている検体を想定し、夾雑物のない市販のヒト血清に細胞や細胞片を模した数マイクロメートル程度の微小なプラスチックビーズを混濁して模擬検体を作製する。デバイスで分析する過程で、どの程度のプラスチックビーズが残留し、分析感度にどういった影響を及ぼすかについて検討する。昨年度は、これに必要な物品の調査を行い、研究計画を立てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、緩衝液中のバイオマーカーの超高感度定量分析技術の確立を行い、その後、夾雑物を含む検体の分析へと研究開発を展開していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により移動が制限され、計画していた出張がオンラインとなったために次年度使用額が生じた。状況を見ながら、早期に対面打ち合わせを実施する予定である。
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Research Products
(7 results)