2023 Fiscal Year Annual Research Report
超高感度ユビキタス検査技術による未病とバイオマーカーの相関解明
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21K04854
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠間 敏博 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任准教授 (00564717)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 未病 / 抗原抗体反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年度にはイムノドットアレイデバイスの作製技術を確立した。昨年度は検体中の抗原分子の定量分析を実施し、バイオマーカーの検出感度面での性能試験を行った。性能試験のために、小型コンピュータでペリスタポンプを制御し1 mLの検体を流路に流すシステムを構築した。1 mLの検体に含まれている抗原分子をイムノドットアレイの反応場で捕捉・濃縮し、その後、酵素標識2次抗体と基質を順に流すことで、反応場に酵素基質反応で生じた蛍光色素を蓄積させて、蛍光顕微鏡で観察した。酵素基質反応によって生じた蛍光色素が反応場に蓄積して、反応場が明るい蛍光を発した。一方で複合体ができていない反応場は暗いままであった。蛍光を発する反応場の数N はバイオマーカーの濃度と相関があり、N と抗原濃度の関係から検量線を得ることができた。バックグラウンドのシグナル強度とノイズから統計学的に検出限界を見積もり、バイオマーカーの検出感度を評価した。最終年度である本年度は研究計画に従って模擬臨床検体中のタンパク質の超高感度検出を行った。緩衝液と比較して模擬臨床検体には多くのタンパク質が含まれており、その影響によってターゲット分子の検出感度がどの程度低下するか評価した。その結果、検出限界濃度が10~100倍となり、デバイスの検出感度は1/10~1/100倍低下することがわかった。一方で定量分析可能な濃度レンジの大きさは緩衝液を分析した場合とほとんど変化しなかった。
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